ちょっと待ってよ、シンデレラ

scene 5 それは、魔女の館？

３４

「あら？バイトを紹介してくれるんじゃなかったんですか？」
　たまたま一緒になった、カスミが横から、口をはさみました。
なんだかんだといいながら・・・カスミもエラのことが、気にしていたのです。
もちろん、エラとしても、その存在をが大いに気になっていたのです。
てっきり、割のいいバイトを、紹介してくれると、
信じていましたから・・
　しないとなると、少しばかりガッカリと落胆しました。
でも、早とちりをした、カスミのことは、責められません。
おばあさんは、そんな2人の様子に気が付かないようで、ニコニコして見つめていました。
いつの間にか、３人の周りがザワザワしてきて、
おばあさんも、やりかけていた掃き掃除をあわててします。
カスミもエラも、手元のチラシに目を落とし、お互いの顏を見合わせました。