ちょっと待ってよ、シンデレラ

scene 5 それは、魔女の館？

１４

　シュウヘイがカスミに電話をしている間・・・エラは物思いにふけっておりました。

　魔法使いのおばあさんの言った通り、ここへ来た道は、何らかの原因で、どうやらふさがれてしまったようだ・・・これから、どうしたらいいのだろう、と
途方に暮れるのでした。
今度はどうすればいいのか、どのくらい待てばいいのか・・・答えの見つからない問題に、頭を抱えます。
そんな姿に気付いたシュウヘイは、すぐにエラの側に近付いて
「どうしたの？カスミと何かあった？」
と、全く方向違いなことを言うので、エラは黙って
頭を振りました。
「別になにも」
こう言うしかなかったのです。
シュウヘイに、実は元の世界に帰りたいのだ・・・と言っても、きっと信じてもらえない。
エラには、わかっていたのです。
隠し事など、好きではない。
ホントはすべてを打ち明けたいのですが・・・
おそらく優しいシュウヘイは、打ち明けられても
困ってしまうだろう・・・そう思ったからでした。

「カスミは気が強いけど、決して悪いやつじゃないんだ。何か気になることがあるのなら、ボクに言って」
シュウヘイは相変わらず、エラとカスミがケンカでも
したのだ、と勘違いしているようです。
エラは頭を大きく振ると、
「そんなことないです。とってもよくしてもらって
います」と言いました。