ちょっと待ってよ、シンデレラ

scene 5 それは、魔女の館？

１２

　エラが差し出したチラシを見て、
「なに、これ？」と言いつつ、シュウヘイはその紙を
受け取りました。
エラの手の中で、強く握りしめられていたため、かなりしわしわのそれを・・・しわを伸ばして広げると、
八つ切りの模造紙というか、コピー用紙のような紙に、大きな文字が躍っています。
見るなりシュウヘイは・・・
「これは、イベントの告知だね」と、目をはしらせます。
「人形劇？紙芝居？
　何かするみたいだね～」と言うので、あらためて
自分もチラシに目を落としました。

先ほどまでの警戒心は、一気にほどかれて、肩に入っていた、余分な力が一気に、ほどけていくような感触がしました。
「なんだぁ～小さな劇団みたいなところ？
　ボランティアグループなのかな？
　公民館で、するみたいだよ。
　なんだ、もうすぐじゃないか。
　カスミと一緒に見に行くといい」
シュウヘイの声が聞こえてきました。
「それって、大丈夫？」
思わずエラは、確かめずには、いられません・・・
その大きな瞳を、ヒタとシュウヘイに据えて、聞きます。
その目が、あまりに真剣だったので、シュウヘイは、
大きく口を開けて、笑います。
「大丈夫だよ！
　このグループはよく知らないけれど・・・」
シュウヘイは、大きく口をあけて笑いました。