ちょっと待ってよ、シンデレラ

Scene 4 合い言葉はビビデバビデブー

１７

　もちろん週末には、カスミと一緒に買い物に行ったりします。だけどどうしても、日々の暮らしの中で、
牛乳とかパンとかヨーグルトとか、足りないものが
出てくるのです。

　この日も、カスミに預かった生活費を手に、テクテクと街かどを歩いていました。
すると近付いて来た女性が、エラが目をそらそうとしても、ニコニコしながら、ついて来るのです。
エラは、先日のしつこいキャッチセールスのお陰で、
辟易としていたので、相手にしない、という作戦をとることにしました。

それでもどこからか・・・
「あなたも、人の役に立ちたいと思いませんか？」
なんだか、わけのわからないことを言われると・・・
エラはテクニックよりも、その場を逃げ出す、という
選択をしました。
お城の舞踏会を逃げ出したという、実績を生かして・・・
華麗に逃げ切ったのは、まぎれもないエラでした・・・
ところがその相手も、結構なランナーでした。
どこまでもあの俊足のエラの後を、いつまでも
追いかけてきて、追いついたらさっと逃げ出しそうな
勢いだったから、これにはエラも、驚いてしまった。
「ちょっと、あなた、早いのね！」
いきなり肩をつかまれて、エラは驚いて、その場で
固まってしまいました。