72 / 370
Scene 4 合い言葉はビビデバビデブー
5
しおりを挟む
まるで、狐につままれたよう・・・
エラは一瞬、自分は今どこにいるのか、それともまだ夢を見ているのか、とボンヤリとします。
それが果たして、現実なのか・・・と、あわてふためいて、辺りをキョロキョロと見回しました。
それを、全く気にならないのか、気付いていないのか。魔法使いはごく事務的に、
「だから、12時の鐘が鳴るまでに、かえって来なさいと、言ったでしょ?」
まるで、小さな女の子に言って聞かせるように、言うのです。
「魔法がとけたら、大変なことになるって・・・
だけどまさか、この時代に飛ばされてくるなんて!
ずいぶん、探したわよ」
ブツブツと・・・「計算違いだったわ」とつぶやいている間・・・
それでもエラは、ひどくホッとして、不覚にも
泣きだしそうになりました。
それからおもむろに、カスミから借りていた、エプロンをはずすと、
「ちょっと待って!片づけなくちゃ」
あわてて立ち上がり、ゴソゴソとゴミ箱を空にしたり、手に持った雑巾を洗ったりしました。
ところが魔法使いのおばあさん。
エラの様子に、あわてて腕を引っ張って、
「待って、いきなりあなたを連れて帰れないわ」
と言うのでした。
エラは一瞬、自分は今どこにいるのか、それともまだ夢を見ているのか、とボンヤリとします。
それが果たして、現実なのか・・・と、あわてふためいて、辺りをキョロキョロと見回しました。
それを、全く気にならないのか、気付いていないのか。魔法使いはごく事務的に、
「だから、12時の鐘が鳴るまでに、かえって来なさいと、言ったでしょ?」
まるで、小さな女の子に言って聞かせるように、言うのです。
「魔法がとけたら、大変なことになるって・・・
だけどまさか、この時代に飛ばされてくるなんて!
ずいぶん、探したわよ」
ブツブツと・・・「計算違いだったわ」とつぶやいている間・・・
それでもエラは、ひどくホッとして、不覚にも
泣きだしそうになりました。
それからおもむろに、カスミから借りていた、エプロンをはずすと、
「ちょっと待って!片づけなくちゃ」
あわてて立ち上がり、ゴソゴソとゴミ箱を空にしたり、手に持った雑巾を洗ったりしました。
ところが魔法使いのおばあさん。
エラの様子に、あわてて腕を引っ張って、
「待って、いきなりあなたを連れて帰れないわ」
と言うのでした。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
FAMILY MATTER 家族の問題 : 改題『さよなら、ララバイ』
設樂理沙
ライト文芸
初回連載2021年10月14日~2022年6月27日……
2024年8月31日より各電子書店より
『さよなら、ララバイ』と改題し電子書籍として配信中
――――――――
深く考えもせず浮気をした夫 許してやり直す道を考えていた妻だったが果たして
……
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
あの頃のまま、君と眠りたい
光月海愛(コミカライズ配信中★書籍発売中
ライト文芸
美海(みう) 16才。
好きなモノ、
ゲーム全般。
ちょっと昔のアニメ、ゲームキャラ。
チョコレート、ブルーベリー味のガム。
嫌いなモノ、
温めた牛乳、勉強、虫、兄の頭脳、
そして、夜。
こんなに科学も医学も進歩した世の中なのに、私は今夜も睡魔と縁がない。
ーー颯斗(はやと)くん、
君が現れなかったら、私はずっと、夜が大嫌いだったかもしれない。
※この作品はエブリスタで完結したものを修正して載せていきます。
現在、エブリスタにもアルファポリス公開。
巡り巡って風車 前世の罪は誰のもの
あべ鈴峰
ファンタジー
母が死に高校に進学もできず。父親の顔色を見て暮らす生活。今日も父親のせっかんを受けていた。気を失い目を覚ますと待っていとのは更なる地獄。
しかし、それは人違いによるものだった。
愛も恋も知らなくても幸せにはなれる
よもぎ
ライト文芸
愛されずに育った少女はひょんなことから己の境遇が虐待されているものと知る。今の環境から脱出し、生きていく術を教えてもらった彼女は祖父母の力を借りて全寮制の学校へ通うことに決め、そこで人生の分岐点を迎える。
***
虐待描写はマイルドにしてあります。そのため、登場人物が大げさに捉えているように感じる方もいると思いますが、マイルドな話として作ったためなのでご容赦ください。
またガールズラブタグをつけておりますが、精神的な繋がりのみです。恋愛かと言われると首を傾げるけど友情にしては深すぎる、そんな関係が出てきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる