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Scene 3  ふしぎの国のシンデレラ

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 カスミもシュウヘイも、一緒にいるうちに、情がわいたのでしょう。
時折シュウヘイは、「ちょっと時間が空いたから」
と言っては、ひんぱんにエラの様子を見に来るように
なりました。
「あら、どうしたの」
素っ気なく言うカスミでしたが、満更でもないようです。
「なっ!カスミって、案外いいやつだろ?」
エラにこそっと耳打ちすると、
「何をコソコソしゃべってるのよ」
カスミがからかうように言います。
「ホント、調子いいよね。
 エミ(2人はエラのことを、エミと呼ぶ)がいない
 時は、全然寄り付かなかったくせに」と言うと、
シュウヘイも、負けずに
「嫁入り前の女の子の部屋を、しげしげ行くと、変な
 噂が立つと、まずいだろ」
と言い返します。
「あら、心にもないことを!」
2人のやり取りを、ニコニコしながらエラは見て、
「お似合いですね~」
思わず言ってしまいます。
するとシュウヘイは、「いやいやいや」と、笑いながら否定すると、
「コイツは、オムツの時から知ってるから・・・いわゆる裸の付き合いしてるからなぁ」と笑うと、
「なによ、それ」
 カスミは、聞き捨てならじ・・・と、シュウヘイの前で、腕組みをして
「いつも、振られて泣きべそかいてるのは、どこの
どなたでしたっけ!」
言い返すカスミを、余裕で受け流すシュウヘイ・・・
その姿を見て、エラは(もしかして!)と思うのです。
(カスミは、シュウヘイのことが、好きなのかしら・・・)と。

 2人を見ていると、微笑ましくて、エラはつい羨ましくなります。
自分も早く、そういう人に、巡り合えたら・・・と思うのでした。
できることなら、元の世界に戻って、もう1度やり直したい・・・
そう思わずにはいられないのでした。
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