35 / 370
scene 2 魔法がとけた、その時に
16
しおりを挟む
「もう!」
ちょっと怒ったような声が響きます。
「お兄ちゃんは、人がいいからって、すぐにだまされるんだから!
どうせ、結婚詐欺みたいな女に、だまされてるのよ」
受話器の向こうでは、カスミはかなり、興奮気味の声です。
「そんなこと言ったって、本人はかなり、マジだったぜ?あれはよっぽどのバカか、よっぽどの天然だ」
なぜだかシュウヘイは、ムキになって、エラをかばおうとさえしました。
なぜ、そんなにもかばうのか。
シュウヘイの脳裏には、先ほどのエラのトンチンカンな行動が、焼き付いていました。
(あれは・・・見た人でなければ、理解できないだろうなぁ)
でも、なんでそんなに、あの子のことが、気になるのか・・・
シュウヘイは、ボンヤリと考え込みながら、
「あの子は、100%純粋培養だ。ダマスとか、出来る子じゃない」と言い切りました。
すると、受話器の向こうから、ため息が聞こえて来て・・・
「なんでそんなに、ムキになるの?
やっぱり、のせられてるんじゃないの」
呆れた・・・というか、やや気色ばんだ声が響いてきます・・・
「そんなことない。
おまえに、そこまで言われるいわれはない」
ビシッと言ったあと、ふいに、息をのむ気配がして、
「そうですか・・・そうなんですか・・・」
と、幾分声が硬くなったので、さすがにシュウヘイも、言い過ぎた・・・と、少しあわてるのだった。
ちょっと怒ったような声が響きます。
「お兄ちゃんは、人がいいからって、すぐにだまされるんだから!
どうせ、結婚詐欺みたいな女に、だまされてるのよ」
受話器の向こうでは、カスミはかなり、興奮気味の声です。
「そんなこと言ったって、本人はかなり、マジだったぜ?あれはよっぽどのバカか、よっぽどの天然だ」
なぜだかシュウヘイは、ムキになって、エラをかばおうとさえしました。
なぜ、そんなにもかばうのか。
シュウヘイの脳裏には、先ほどのエラのトンチンカンな行動が、焼き付いていました。
(あれは・・・見た人でなければ、理解できないだろうなぁ)
でも、なんでそんなに、あの子のことが、気になるのか・・・
シュウヘイは、ボンヤリと考え込みながら、
「あの子は、100%純粋培養だ。ダマスとか、出来る子じゃない」と言い切りました。
すると、受話器の向こうから、ため息が聞こえて来て・・・
「なんでそんなに、ムキになるの?
やっぱり、のせられてるんじゃないの」
呆れた・・・というか、やや気色ばんだ声が響いてきます・・・
「そんなことない。
おまえに、そこまで言われるいわれはない」
ビシッと言ったあと、ふいに、息をのむ気配がして、
「そうですか・・・そうなんですか・・・」
と、幾分声が硬くなったので、さすがにシュウヘイも、言い過ぎた・・・と、少しあわてるのだった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
サレ夫が愛した女性たちの追憶
しらかわからし
ライト文芸
この小説は、某ブログで掲載していたものですが、この度閉鎖しアクアポリス様だけで掲載いたします。
愛と欲望、裏切りと再生をテーマに主人公自身が女性たちと交錯し、互いに影響をし合いながら変化していく、様子を描きました。暫く、公開を停止していたのですが、本日(2024年10月5日)より再公開させて頂きました。
表紙の画像はCANVA様からお借りしました。
デブよ、さらば!
daisysacky
ライト文芸
30代、子持ち。パートタイマー空美。毎朝、体重計にのっては、タメ息。このところ、増加傾向のこの体!
どうにかせねば!
と、悪戦苦闘するも、そうは問屋が下ろさない。はてさて、彼女の運命やいかに!
同じ星を目指して歩いてる
井川林檎
ライト文芸
☆第三回ライト文芸大賞 奨励賞☆
梟荘に集まった、年も事情も違う女子三名。
ほんの一時の寄せ集め家族は、それぞれ低迷した時期を過ごしていた。
辛さを抱えているけれど、不思議に温かでどこか楽しい。
後から思い返せばきっと、お祭りのような特殊な時期となる。
永遠に変わらないものなんて、きっとない。
※表紙画像:ぱくたそ無料素材を借用
『ヘブン』
篠崎俊樹
ライト文芸
私と、今の事実婚の妻との馴れ初めや、その他、自分の身辺のことを書き綴る、連載小説です。毎日、更新して、書籍化を目指します。ジャンルは、ライトノベルにいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
キャッチ・ボール ~子どもは親を選べませんが~
冴季栄瑠
ライト文芸
僕の父はイケメンと呼ばれるが節操なしの最低男。
楓義母さんは父の後妻だが、正義感のある強い女性だった記憶がある。
義母の連れ子の桜も、いいやつだった。
しかし父の浮気が原因で両親は離婚。僕は父に引き取られ、すっかりひねくれて数年が経ち……。
あちらの顔も思い出せなくなった頃、桜が突然会いに来て……?
変わり者の父と息子とかつて家族だった少女の、家族の物語。
こちら京都府警騎馬隊本部~私達が乗るのはお馬さんです
鏡野ゆう
ライト文芸
ここにいるおまわりさん達が乗るのは、パトカーでも白バイでもなくお馬さんです。
京都府警騎馬隊に配属になった新米警察官と新米お馬さんのお話。
※このお話はフィクションです。実在の京都府警察騎馬隊とは何ら関係はございません※
※カクヨム、小説家になろうでも公開中※
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる