夢町高校文化祭

daisysacky

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いつかどこかで…

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「え~なになに、なんですか?」
 人一倍好奇心旺盛なナギコが、興味津々で、顔を輝かせる。
カナエは、息が止まるか、というくらい…息をするのも忘れ、
目を大きく見開いた。
「おい、ちょっとやめろよ!」
あわててリョウが、シュンに飛びつくようにして、制止したので…
「なぁんだ、つまんねぇの!」
シュンはようやく、ふざけるのをやめた。
「まぁ、とにかく…今日のことは、君たちのせいばかりじゃ、ないんだ」
リョウが取り繕うように言うと、ピタリと足を止める。
「さぁ、ここが出口だ」
2人を振り返った。

 気が付けば、いつの間にか、ナギコたちは校門の前まで来ていた。
先ほどまでのにぎやかさは、すっかりおさまっていた。
校舎の方も、ボチボチ後片付けを始めているようだった。
「あれ?今、何時?」
お昼ごろだと思っていたのに…
もうそんなに、時間がたったのか?
カナエはボンヤリとする。
「お昼…食べ損ねた」
ナギコがポツンと言うと、急にお腹が空いたことに気が付いた。

「ごめんね!何だか、せっかくのステージ、台無しにして」
 校門に寄り掛かるようにして、あらためてリョウが謝る。
シュンもリョウの隣に立つと、
「でも、楽しかったよ」と付け加える。
「私たちこそ!
 巻き込んでしまって、ごめんなさい」
カナエは深々と、頭を下げた。
「いいって、いいって!
 君は何も悪くないんだから」
あわててリョウが、口をはさむと、カナエの手を軽く握り
「君たちに会えて、本当によかった」とにっこりと微笑んだ。

 これで、さようならなの?
何だか心に、ポッカリと穴が開いたような気がする。
カナエはなぜか、急に悲しくなってきた。
どうしてなのか、わからない…
自分でも、自分の気持ちがわからずに、戸惑っている。
私ってば、どうしたというの?
この気持ちは、一体なに?

 リョウが何か、話しかけてくる。
だけども、カナエの耳には、届かなかった。
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