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いつかどこかで…
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(ナギコは、何も思わないのかなぁ)
あれだけの騒ぎを起こした割に、のほほんとした横顔だ。
むしろ楽し気でもある。
「ね、どこへ行くんだろうね?」
好奇心でパンパンの目を、輝かせている。
「さぁ?」
しんがりはシュン。
その横をリョウ。
少し遅れて、チェロのケースを背負い直すツトム…
彼らは一体、何者なんだろう?
あらためて、そう思うカナエだ。
前夜祭に屋上で、出会った男の子。
大体何であの時、あんなところにいたのかも、謎のままだ。
あえて聞くのを忘れてた、というのもあるけれど。
(もしかしたら…誰か手引きする人でもいたの?)
ふいに気になるカナエだ。
見送る…というよりも、後をついて歩いている、というのが正しい。
そんな自分たちって、あの女の子たちと、何ら変わりがない
のではないか、と思う。
(むしろ、役に立っているだけ、あの子たちの方が、ポイントが
高いのでは?)
「どうしたの?
さっきから、おっかない顔をして」
いきなりナギコが、こちらをのぞき込んで聞く。
「えっ?」
いつの間に、ナギコの顏が、目の前にある。
「えっ?えっ?何も!」
不意をつかれて、うろたえる。
「え~と、どこまで行くのかな、と思って」
狼狽する自分をごまかすように、思いつくままに言う。
うろたえるカナエを見て、ナギコは
「あやしいなぁ」
ニヤリと笑う。
「何を思っているんだか!」
からかうような目付きで、カナエを見ると
「別に、何も、考えていません!」
むしろムキになって、カナエは繰り返した。
黙々と歩くリョウたちは、相変わらずこちらに目もくれずに、
スタスタと歩き続ける。
そうしてようやく、突き当りに到達した。
「えっ、ここって」
目の前のコンクリートブロックを見て、カナエはボンヤリとする。
それは…カナエたちの学校を分断する、灰色の鉄壁だ。
一時は低い壁だった、という話だったのだが、ある時事件があり、
気が付けば、こんな塀が出来ていた。
「まさか」
思わずカナエはつぶやく。
これって、そういうこと?
もしかして、リョウたちの正体は?
予想外の展開に、2人は通せんぼをするように、大きく手を広げた。
あれだけの騒ぎを起こした割に、のほほんとした横顔だ。
むしろ楽し気でもある。
「ね、どこへ行くんだろうね?」
好奇心でパンパンの目を、輝かせている。
「さぁ?」
しんがりはシュン。
その横をリョウ。
少し遅れて、チェロのケースを背負い直すツトム…
彼らは一体、何者なんだろう?
あらためて、そう思うカナエだ。
前夜祭に屋上で、出会った男の子。
大体何であの時、あんなところにいたのかも、謎のままだ。
あえて聞くのを忘れてた、というのもあるけれど。
(もしかしたら…誰か手引きする人でもいたの?)
ふいに気になるカナエだ。
見送る…というよりも、後をついて歩いている、というのが正しい。
そんな自分たちって、あの女の子たちと、何ら変わりがない
のではないか、と思う。
(むしろ、役に立っているだけ、あの子たちの方が、ポイントが
高いのでは?)
「どうしたの?
さっきから、おっかない顔をして」
いきなりナギコが、こちらをのぞき込んで聞く。
「えっ?」
いつの間に、ナギコの顏が、目の前にある。
「えっ?えっ?何も!」
不意をつかれて、うろたえる。
「え~と、どこまで行くのかな、と思って」
狼狽する自分をごまかすように、思いつくままに言う。
うろたえるカナエを見て、ナギコは
「あやしいなぁ」
ニヤリと笑う。
「何を思っているんだか!」
からかうような目付きで、カナエを見ると
「別に、何も、考えていません!」
むしろムキになって、カナエは繰り返した。
黙々と歩くリョウたちは、相変わらずこちらに目もくれずに、
スタスタと歩き続ける。
そうしてようやく、突き当りに到達した。
「えっ、ここって」
目の前のコンクリートブロックを見て、カナエはボンヤリとする。
それは…カナエたちの学校を分断する、灰色の鉄壁だ。
一時は低い壁だった、という話だったのだが、ある時事件があり、
気が付けば、こんな塀が出来ていた。
「まさか」
思わずカナエはつぶやく。
これって、そういうこと?
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