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第18章  さようなら、桜ハウス

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「あ、そうだ!あなたたち…
 これから、どうするの?」
 ふいに思い出したように、サラさんが言う。
すると2人は、顏を見合わせ、意味ありげにニヤニヤとすると
「知り合いの家に、お世話になります。
 お金がたまったら…国に帰ります」
思ったよりも、ハッキリとした口調で、ソンさんは言った。
「そう…」
何だか訳ありそうだけれど、あえてこれ以上、追究しようとは思わなかった。

 まるで憑き物が落ちたように、今までのことを振り返る。
そもそもここにいたのは、ほんの数か月のことだったけれども、
何だかずいぶん、長くここに住んでいたような気がする。
「ね、あなた!クマさんのこと、好きなんでしょ?」
いきなりマイコが、待子の腕をつっつく。
「えっ?」
そんなこと…今まで意識もしていなかった。
待子は全力で、頭を振った。
「えっ、そうなの?」
驚いた顔で、杏子が言う。
「親友なのに、気づかなかったの?」
からかうように、マイコは杏子の顔をのぞき込む。
「えっ」とまどう待子を無視して
「せっかく彼に頼んで、合コンセッティング、してもらおうかと
 思っていたのに」
悔しそうに杏子は言う。
「えっ、合コン?」
ピクリと眉をひそめると、急にマイコがくるりと杏子に振り返る。
「そうなの?ぜひ、やりましょうよ!
 彼氏持ちは、ヌキにして」
突然 グイッと杏子の手をつかむと、嬉しそうにブンブン振り回す。
「えっ…」
助けを求めるように、杏子は待子を振り返る。

「いいですよ、大歓迎です」
驚いて、戸惑う杏子をかばうように、先ほどまでおとなしく唐揚げを
ほうばっていた彼氏が、突然口を開いた。



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