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第15章 いのち短し 恋せよ乙女?
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スッピンでジャージ姿のレイコさんは、なぜだかとても若々しくて、
ハツラツとして見えた。
生きる情熱に満ち満ちている、というか、とてもエネルギッシュに見えて、
まぶしかったのだ。
「私がね、男にだまされて…貯金を持ち逃げされて、借金まで背負わされて、
途方に暮れてた時に…
たった1人、拾ってくれたのが、大家さんだったのよ」
しみじみとした顔で、彼女はそう言った。
「そうなんだ…」
何となく、大家さんならしそうだな、と待子はそう思う。
いかにも大家さんらしいなぁ、と。
なんとなくいい人そうな気がしていたけれど、
やっぱりそうだったんだ、と発見したことによる、喜びのようなものを
感じていた。
「初めはね、ある時払いでいいから…と、しばらくは私から、
家賃を取らなかったの。
それだけじゃなくて、布団を貸してくれたり、
ご飯を持ってきてくれたり、何かとよくしてもらったの!
だからね、私だけは…最後までここに残ろうと、心に決めたんだよね」
深くうなづきながら、レイコさんは言う。
「こんなことばかりしてるから…
大家さんはちっとも儲かっていないと思うよ」
やっぱり大家さんだなぁ~と待子は思う。
そういうことだったんだぁ~と、ようやく腑に落ちた気がする。
「でもまぁ~いずれは…ここもなくなるんだろうけどねぇ」
レイコさんは、少しばかりさみしそうな口調で言う。
大家さんの息子さんのこともあるし、
建物の老朽化も(前から)気になってはいたし…
どうしても、避けられないのかなぁと、心から残念に思う待子だ。
ハツラツとして見えた。
生きる情熱に満ち満ちている、というか、とてもエネルギッシュに見えて、
まぶしかったのだ。
「私がね、男にだまされて…貯金を持ち逃げされて、借金まで背負わされて、
途方に暮れてた時に…
たった1人、拾ってくれたのが、大家さんだったのよ」
しみじみとした顔で、彼女はそう言った。
「そうなんだ…」
何となく、大家さんならしそうだな、と待子はそう思う。
いかにも大家さんらしいなぁ、と。
なんとなくいい人そうな気がしていたけれど、
やっぱりそうだったんだ、と発見したことによる、喜びのようなものを
感じていた。
「初めはね、ある時払いでいいから…と、しばらくは私から、
家賃を取らなかったの。
それだけじゃなくて、布団を貸してくれたり、
ご飯を持ってきてくれたり、何かとよくしてもらったの!
だからね、私だけは…最後までここに残ろうと、心に決めたんだよね」
深くうなづきながら、レイコさんは言う。
「こんなことばかりしてるから…
大家さんはちっとも儲かっていないと思うよ」
やっぱり大家さんだなぁ~と待子は思う。
そういうことだったんだぁ~と、ようやく腑に落ちた気がする。
「でもまぁ~いずれは…ここもなくなるんだろうけどねぇ」
レイコさんは、少しばかりさみしそうな口調で言う。
大家さんの息子さんのこともあるし、
建物の老朽化も(前から)気になってはいたし…
どうしても、避けられないのかなぁと、心から残念に思う待子だ。
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