312 / 428
第13章 桜ハウスを守れ!
20
しおりを挟む
「ちょっと!おい!どういうことなんだ?
サラ!おい、何を考えているんだよ」
男はバタバタと、手足を振り回し、拘束をほどこうとあらがう。
その手足を、桜ハウスの住人が、体重でもって、何とか押さえつけようと
がんばっている。
左足をマイコが。
右足をレイコさんが。
左手を待子が。
右手を中田さんが。
肩を佐伯さんが押さえつけて
「私たちの要求は、ただ1つ!
この桜ハウスの取り壊しを、撤回することです!」
男の頭の側に立つと、ひよりちゃんのお母さんが、大きな声で
男に向かって宣言する。
「なんだとぉ」
ふざけるな、とばかりに…男はなおも、体をよじり、その拘束から
逃れようと、首を捻じ曲げて、憎々し気に見上げる。
「ちょっとぉ~じぃっとしていないと、ロープで縛らないといけなく
なりますよぉ」
マイコが黄色い声を張り上げると、
「なんだとお!この…魔女たちめが!」
悔しそうに、我を忘れて、男は怒鳴りつける。
「あらぁ」とマイコは怖がりもせずに、ヘラリと顔を崩すと、
「さぁさぁ、どうしましょうかねぇ」
どう料理しようか、というように…いつもの倍、イキイキとした顔で、
男を見下ろしている…
フフフ…
いつの間にか、彼女たちの背後に、大家さんがゆっくりと
近付いてきていた。
声を聴くと、男は哀れっぽい声を出し、
「頼む、姉さん!いいから、助けてくれぇ!」
あらん限りの力を振り絞って、男は体をよじって逃れよう…と画策する。
「こらぁ~」
女たちは、馬乗りになるようにして、渾身の力を振り絞り、男を
押さえつける…
「ずるいぞぉ~お前たち!
これで済むと思うなよぉ」
しばらくすると、首をポテンと落とし、忌々しそうに男は言う。
「そりゃぁまぁ、そうでしょうね」
案外あっさりと、大家さんは楽しそうに、男の顔を見下ろす。
「だって、これは…戦いですもの」
そう言うと、時計をのぞき込み、
「さぁ~たっぷりと時間はあるわ!
しっかりと、考えてもらいましょうねぇ」
と言うと、その場にしゃがみ込んで、男をじぃっと見つめた。
サラ!おい、何を考えているんだよ」
男はバタバタと、手足を振り回し、拘束をほどこうとあらがう。
その手足を、桜ハウスの住人が、体重でもって、何とか押さえつけようと
がんばっている。
左足をマイコが。
右足をレイコさんが。
左手を待子が。
右手を中田さんが。
肩を佐伯さんが押さえつけて
「私たちの要求は、ただ1つ!
この桜ハウスの取り壊しを、撤回することです!」
男の頭の側に立つと、ひよりちゃんのお母さんが、大きな声で
男に向かって宣言する。
「なんだとぉ」
ふざけるな、とばかりに…男はなおも、体をよじり、その拘束から
逃れようと、首を捻じ曲げて、憎々し気に見上げる。
「ちょっとぉ~じぃっとしていないと、ロープで縛らないといけなく
なりますよぉ」
マイコが黄色い声を張り上げると、
「なんだとお!この…魔女たちめが!」
悔しそうに、我を忘れて、男は怒鳴りつける。
「あらぁ」とマイコは怖がりもせずに、ヘラリと顔を崩すと、
「さぁさぁ、どうしましょうかねぇ」
どう料理しようか、というように…いつもの倍、イキイキとした顔で、
男を見下ろしている…
フフフ…
いつの間にか、彼女たちの背後に、大家さんがゆっくりと
近付いてきていた。
声を聴くと、男は哀れっぽい声を出し、
「頼む、姉さん!いいから、助けてくれぇ!」
あらん限りの力を振り絞って、男は体をよじって逃れよう…と画策する。
「こらぁ~」
女たちは、馬乗りになるようにして、渾身の力を振り絞り、男を
押さえつける…
「ずるいぞぉ~お前たち!
これで済むと思うなよぉ」
しばらくすると、首をポテンと落とし、忌々しそうに男は言う。
「そりゃぁまぁ、そうでしょうね」
案外あっさりと、大家さんは楽しそうに、男の顔を見下ろす。
「だって、これは…戦いですもの」
そう言うと、時計をのぞき込み、
「さぁ~たっぷりと時間はあるわ!
しっかりと、考えてもらいましょうねぇ」
と言うと、その場にしゃがみ込んで、男をじぃっと見つめた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
余命3ヶ月、、たけどあなたに出逢ってしまった
山本未来
ライト文芸
乳がんで余命3ヶ月と宣告された
だけど明るく生きる決意をする
命ある限り好きな事をしよう、、
そして出逢ってしまった
大切な人と、、
しのぶ想いは夏夜にさざめく
叶けい
BL
看護師の片倉瑠維は、心臓外科医の世良貴之に片想い中。
玉砕覚悟で告白し、見事に振られてから一ヶ月。約束したつもりだった花火大会をすっぽかされ内心へこんでいた瑠維の元に、驚きの噂が聞こえてきた。
世良先生が、アメリカ研修に行ってしまう?
その後、ショックを受ける瑠維にまで異動の辞令が。
『……一回しか言わないから、よく聞けよ』
世良先生の哀しい過去と、瑠維への本当の想い。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
碧の青春【改訂版】
美凪ましろ
ライト文芸
アムラーが世を席巻する1997年。東京で生まれ育った都倉真咲は、家庭の事情で突如母の郷里に引っ越す。転校先で出会ったのは、のちにかけがえのない仲間となる美少年(複数)や眼鏡男子。つまらないと思っていたはずの田舎での高校生活が、ほのかな恋によって輝きだして……!? 胸焦がす恋情、一度っきりの青春。苦しくて切なくて流した涙も必ず糧となる日が来る。改訂前verはコチラから→<http://nanos.jp/sunnysunday/novel/8/>
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
異界娘に恋をしたら運命が変わった男の話〜不幸の吹き溜り、薄幸の美姫と言われていた俺が、英雄と呼ばれ、幸運の女神と結ばれて幸せを掴むまで〜
春紫苑
恋愛
運命の瞬間は早朝。
泉から伸びる手に触れたことが、レイシールの未来を大きく変えた。
引き上げられた少女は、自らを異界人であると告げ、もう帰れないのかと涙をこぼした。
彼女を還してやるために、二人は共に暮らすこととなり……。
領主代行を務めるレイシールの、目下の課題は、治水。毎年暴れる河をどうにかせねば、領地の運営が危うい。
だが、彼の抱える問題はそれだけではない。
妾腹という出自が、レイシールの人生をひどく歪なものにしていた。
喪失の過去。嵐中の彼方にある未来。二人は選んだ道の先に何を得るのか!
その後の愛すべき不思議な家族
桐条京介
ライト文芸
血の繋がらない3人が様々な困難を乗り越え、家族としての絆を紡いだ本編【愛すべき不思議な家族】の続編となります。【小説家になろうで200万PV】
ひとつの家族となった3人に、引き続き様々な出来事や苦悩、幸せな日常が訪れ、それらを経て、より確かな家族へと至っていく過程を書いています。
少女が大人になり、大人も年齢を重ね、世代を交代していく中で変わっていくもの、変わらないものを見ていただければと思います。
※この作品は小説家になろう及び他のサイトとの重複投稿作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる