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第12章 桜ハウスへようこそ
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「そんなこと言って…住む人にとっては、とっても不便なんだよ」
なんでも楽しそうにする佐伯さんを、たしなめるように思わず言う。
トントンと靴箱の方まで下りていくと、
「靴だってさ、みんなと一緒に使うわけだし」
思わず不満をこぼすと
「でも」と佐伯さんは、引き下がる様子はない。
「大家族って感じがして、いいじゃない」
作り付けの大きな靴箱を眺めた。
いつの間にかそんなことにも、慣れてしまった待子は、佐伯さんの反応を
意外に思う。
「そう?イチイチ脱ぐから、面倒なんだけど?
それに靴もたくさん置けないし」
1部屋につき、3~4足が限界だろう。
ブーツなんて置けない、と思う。
「あら!持って上がればいいじゃない」
ケロッとした顔で言う佐伯さんを見ていると…
そうかぁ、それは盲点だったな、と今更ながらに思うのだ。
「歓迎会は何時から?」
靴箱から靴を取り出すと、あらためて佐伯さんが聞く。
うーん、そうだなぁと思い出すと、
「一応6時からだけど、みんな用事があるし、仕事もしてるし適当よ」
全く気にすることなく待子がそう言うと
「そっかぁ~そうよね」
こだわりもなく、あっさりとしゃがみこみ、靴をはく。
「なら…まだゆっくり出来るわね」
さっさと立ち上がると、
「なんだかとっても楽しみ!」
うきうきした口調で、佐伯さんは言う。
何が楽しみなんだろう…佐伯さんの真意はわからないけれど。
それはきっと、大家さんのことが興味があるのかな、とごくあっさりと認めた。
玄関を出ると、まっすぐに、近道である建物の脇をすり抜けて、
駐輪場の側をすり抜ける。
細い道を通ると、佐伯さんは黙って待子の後をついてきた。
なんでも楽しそうにする佐伯さんを、たしなめるように思わず言う。
トントンと靴箱の方まで下りていくと、
「靴だってさ、みんなと一緒に使うわけだし」
思わず不満をこぼすと
「でも」と佐伯さんは、引き下がる様子はない。
「大家族って感じがして、いいじゃない」
作り付けの大きな靴箱を眺めた。
いつの間にかそんなことにも、慣れてしまった待子は、佐伯さんの反応を
意外に思う。
「そう?イチイチ脱ぐから、面倒なんだけど?
それに靴もたくさん置けないし」
1部屋につき、3~4足が限界だろう。
ブーツなんて置けない、と思う。
「あら!持って上がればいいじゃない」
ケロッとした顔で言う佐伯さんを見ていると…
そうかぁ、それは盲点だったな、と今更ながらに思うのだ。
「歓迎会は何時から?」
靴箱から靴を取り出すと、あらためて佐伯さんが聞く。
うーん、そうだなぁと思い出すと、
「一応6時からだけど、みんな用事があるし、仕事もしてるし適当よ」
全く気にすることなく待子がそう言うと
「そっかぁ~そうよね」
こだわりもなく、あっさりとしゃがみこみ、靴をはく。
「なら…まだゆっくり出来るわね」
さっさと立ち上がると、
「なんだかとっても楽しみ!」
うきうきした口調で、佐伯さんは言う。
何が楽しみなんだろう…佐伯さんの真意はわからないけれど。
それはきっと、大家さんのことが興味があるのかな、とごくあっさりと認めた。
玄関を出ると、まっすぐに、近道である建物の脇をすり抜けて、
駐輪場の側をすり抜ける。
細い道を通ると、佐伯さんは黙って待子の後をついてきた。
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