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第11章  新しい仲間たち

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  さすがにすぐには決められない様子だ。
 駅の前を通り過ぎると、バス通りをひたすら肩を並べて歩いて行く。
時折迷惑そうに、その側をすり抜ける人や、チリンチリンとベルを
鳴らして通り抜ける自転車もいるけれど…
待子と杏子は気にすることなく、しゃべり続ける。
教室の話。
新しい同級生の話。
新しくお目見えした、学食のメニューの話。
話しても話しても、尽きることがないくらい…
しゃべりたいことが、次から次へと湧いてくる。
さらに加えて、箸がコロンでも笑いたい年頃だ。

「ねぇ、サークルに入らない?」
ひとしきり話した後、いきなり杏子がサラリと提案する。
丁度建物の1部が、見えて来たところだ。
「そんな時間はないわよ。
 バイトもあるし、教習所も行くんでしょ?」
先ほどの話はなんだったのだ?と、すぐさま待子が反論する。
すると杏子は、チラリと待子を横目で見ると、
「そこは…何とかうまくやるのよ」
澄ました口調で言う。
「せっかく大学に入ったんだもん。
 せっかく親の目から逃れたんだもん。
 せめて何かしようよぉ」
子供のような口調で、甘えたように言う。
あら、杏子って、こんなキャラだったっけ?
そう呆れながらも…
「でも…教養課程で単位も取らないといけないんだよ?
 車の免許もでしょ?
 バイトも…となると、一体いつ、サークルをするの?」
ちょっとばかしブスッとした口調で、待子が言い返した。
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