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第10章   思いがけない味方登場

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「あっ、ちょっと!」
 あわててピシャンと戸を閉めると…
「あぁ、助かった!」
 マイコはズカズカと、部屋の奥に入り込む。
窓をあけて、外をのぞき込むと、
「あっ、やっぱり、まだいる!」
 今度はかなり大きな音量の悲鳴だ。
悲鳴をあげつつ、ビビッてカーテンの後ろに首を引っこめる。
「なんですか?もう!」
 みるみる待子は、青ざめ…
「人の部屋を入り口にしたり、かくれんぼしたりしないでくださいよ!」
なぜなのか、わからない待子は、マイコの側に突っ立っている。
「えっ?だって…アイツ、しつこくて、下手すると家に押しかけて
 来るんだもん!」
子供のように、口をとがらせる。
「その手には、乗りませんよ!」
ガンとして受け入れず、待子は毅然とした態度で言う。
「ここって、男子禁制ですよね?
 じゃあ、中まで入って来るわけないじゃないですかぁ」
キッとした表情で、マイコをにらんだ。
「あら、それは違うわ」
相変わらずヘラリとした顔で、マイコは言う。
「アイツには、そんなこと通用しないから!
 その気になったら、雨どい伝ってでも、入ってくるからね!
 アイツをなめてかかると、とんでもないことになるわよ」
 逆に待子を脅かすようなことを言う…
「入って来なくても、待ち伏せするわよ!
 アイツ、何時間だって待つわよ!
 何日も何日も…挙動不審な男が家の前にいたら、
 気持ち悪いでしょ?」
そう言うと…チラリと窓の外をうかがった。

 そう言われれば、確かに気持ち悪いのだが…
「警察、呼べばいいじゃない」
軽い口調で言うと、マイコも負けじと
「あら、アイツを追い出しても…帰ってもまた、出直すわよ。
 何したって一緒よ!」と言うので、
「なら、マイコさんが、どうにかしてくださいよ」
 なんで私が叱られないといけないのよ…
待子はその理不尽な態度に、少しイラついていた。
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