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第9章 ネクストミッション!
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だけどひよりちゃんは、あわてて部屋の中をのぞき込むと、
「立派な部屋じゃない!」
1人、目をキラキラとさせる。
「今、住んでるトコよりも、十分広いし…
私達、狭いところで慣れているから、デッカイくらいよ」
ニコニコしながら言った。
「そろそろ時間だ」
クマガイさんはそう言うと、
「あとは頼む」と言って、サラさんを伴い、部屋を出て行く。
ひよりちゃんと2人きりにされた待子は、少し気まずいものの、
「待ってる間に、片付けましょ」
と言うと、とりあえず掃除機で、部屋を掃除し始めた。
「ねぇ…カバンをどこに置いたらいい?」
さすがに他人の部屋を、勝手にさわるのは、気が引けるのか、
困った顏で、ひよりちゃんは立ちすくんでいた。
「そうねぇ」
待子は部屋を見回すと、
「あの辺で、いいんじゃない?」
部屋の隅にあった、ガラあきの棚の下段を指差した。
「ダメと言われたら、また探せばいいんじゃない?」
おそらく打ち合わせに使われるのだろう、窓際のソファとテーブル。
「いいのかなぁ」
それでも遠慮がちに言うので…
いつものしっかりとした、ひよりちゃんが、珍しくおとなしいので、
意外とさえ思う。
「いいよ、いいよ!
もしも叱られたら…待子の言う通りにしました、と言ったらいい」
むりやりひよりちゃんを、納得させた。
ところどころ、絵の具で汚れた床も、思ったよりも、
ホコリがたまっていることはない。
おそらくひよりちゃんが、来る前に、あわてて掃除したんだなぁと思い、
「あのクマさん…見た目に似ず、優しいのね」
ひよりちゃんに声をかけた。
「うん」と言うと、
「ここなら安心して、過ごせそう…」
ホッとした顔をして、ようやく笑顔を見せた。
「立派な部屋じゃない!」
1人、目をキラキラとさせる。
「今、住んでるトコよりも、十分広いし…
私達、狭いところで慣れているから、デッカイくらいよ」
ニコニコしながら言った。
「そろそろ時間だ」
クマガイさんはそう言うと、
「あとは頼む」と言って、サラさんを伴い、部屋を出て行く。
ひよりちゃんと2人きりにされた待子は、少し気まずいものの、
「待ってる間に、片付けましょ」
と言うと、とりあえず掃除機で、部屋を掃除し始めた。
「ねぇ…カバンをどこに置いたらいい?」
さすがに他人の部屋を、勝手にさわるのは、気が引けるのか、
困った顏で、ひよりちゃんは立ちすくんでいた。
「そうねぇ」
待子は部屋を見回すと、
「あの辺で、いいんじゃない?」
部屋の隅にあった、ガラあきの棚の下段を指差した。
「ダメと言われたら、また探せばいいんじゃない?」
おそらく打ち合わせに使われるのだろう、窓際のソファとテーブル。
「いいのかなぁ」
それでも遠慮がちに言うので…
いつものしっかりとした、ひよりちゃんが、珍しくおとなしいので、
意外とさえ思う。
「いいよ、いいよ!
もしも叱られたら…待子の言う通りにしました、と言ったらいい」
むりやりひよりちゃんを、納得させた。
ところどころ、絵の具で汚れた床も、思ったよりも、
ホコリがたまっていることはない。
おそらくひよりちゃんが、来る前に、あわてて掃除したんだなぁと思い、
「あのクマさん…見た目に似ず、優しいのね」
ひよりちゃんに声をかけた。
「うん」と言うと、
「ここなら安心して、過ごせそう…」
ホッとした顔をして、ようやく笑顔を見せた。
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