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第9章   ネクストミッション!

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  まるで待子の心を読むように、フフフとサラさんが笑うと
「あ、この人、腐れ縁の仲なの。男と女の関係じゃあないよぉ」と言うと、
「こいつ…こう見えて、男みたいだもんなぁ」
なぜだかクマガイさんも、カカカカカ…」と笑う。
「失礼な!美女に向かって、何を言う」
 あまりにも、仲がいいので、これはこれであてられてしまう…

「あのぉ」
狭くて暗い通路を歩きながら、おそるおそる待子は声をかける。
「なぁに?」
サラさんは、待子の方を振り向く
「重い?疲れた?あと少しよ」
まっすぐ突き当りの方を指差すと…
「そこって、何をやってる所なんですかぁ」
変な質問だ…と思う。
 それにこれから、ひよりちゃんがお世話になる…というのに。
 するとクマガイさんは、ピタリと足を止めると
「ただの…住居兼アトリエだよ」とにこやかに、答える。
「でも・・・矢印って?」
 ところどころにある、謎の赤い矢印を差すと
「あぁ」とクマガイさんにうなづく。
「あまりにね、部屋の場所がわからんと言うから…
 印をつけたんだ」
あっけらかんとして言う。
「それなら、下の方にきちんと書けばいいのに」
思わずポロリと待子は言ってしまう。
あっ、と思ったけれど、クマガイさんは
「そうだな!」と言うと、豪快に笑う。
「そうなんだけどさ!
 看板を立てると、税金がかかるから…と、せめて…矢印にした」
茶目っ気たっぷりにめをクルリと回すと、
「森のくまさんみたい…」
隣りを歩いていた、ひよりちゃんがポツンと言った。




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