142 / 428
第6章 魔女の館へようこそ!
53
しおりを挟む
待子の表情を見て、ひよりちゃんはクスリと笑うと
「私達…ここは用がない時には、ほとんど来ないよ」とほがらかに言う。
それでも珍しそうに、チョコマカと、ひよりちゃんの後ろで、
辺りを忙しそうに見回している。
「ちゃんと前を見ないと、柱にぶつかるよ!」
たまりかねてひよりちゃんが言うので、あわててまっすぐ見ると、
今まさに、角の柱に正面衝突する寸前だった。
「うわっ」
あわてて飛びのけた。
ひよりちゃんは「ほらっ」と言うと、
「あわてないでも、いつでも見れるでしょ」と笑う。
気まずそうにしながら待子は、「でもなんで」とつぶやいた。
「なんでって…部屋には、小さな台所がついてるからねぇ」と言う。
「なんで?」
素朴な疑問を、待子は口にする。
なんだってわざわざ、1階まで寄るのだ…と。
「なんでって…うち、冷蔵庫がないんだもん」
あっさりと、ひよりちゃんが言う。
「ないぃ?」
にわかに信じがたく、もう1度聞き返す。
「だからぁ~冷蔵庫が壊れてから…買い替えるお金がないのよ」
大人びた口調で、ひよりちゃんが言うので、思わず同情のまなざしで見る。
「冷蔵庫、ないと困るでしょ?」
さらにひよりちゃんが言うので…さすがにマズイこと、言ったのかなぁと、
待子は口ごもる…
だけどひよりちゃんは落ち着いていて、まったく気にしていないようだ。
「こっちよ」と言うと、ひよりちゃんは先頭に立って、
ズンズンとまっすぐに突き進んで行った。
入ってすぐには、部屋が2つあり、見た感じは、2階と同じような
造りだ。
丁度物干し台の隣の部屋にあたる辺りに、キッチンがあるようだ。
ここがどうやら、違うところのようだ。
その部屋のスリガラスが、ほんの少し開いていたので、
思わずのぞき込むと
「ここの人は、外国人なの」と平気な顔で、部屋の前を素通りする。
(あら、知ってるんだ)と裕太は驚いた。
スリガラスには、何かポスターが、1か所テープがはがれて、
ヒラヒラと揺れていた。
「私達…ここは用がない時には、ほとんど来ないよ」とほがらかに言う。
それでも珍しそうに、チョコマカと、ひよりちゃんの後ろで、
辺りを忙しそうに見回している。
「ちゃんと前を見ないと、柱にぶつかるよ!」
たまりかねてひよりちゃんが言うので、あわててまっすぐ見ると、
今まさに、角の柱に正面衝突する寸前だった。
「うわっ」
あわてて飛びのけた。
ひよりちゃんは「ほらっ」と言うと、
「あわてないでも、いつでも見れるでしょ」と笑う。
気まずそうにしながら待子は、「でもなんで」とつぶやいた。
「なんでって…部屋には、小さな台所がついてるからねぇ」と言う。
「なんで?」
素朴な疑問を、待子は口にする。
なんだってわざわざ、1階まで寄るのだ…と。
「なんでって…うち、冷蔵庫がないんだもん」
あっさりと、ひよりちゃんが言う。
「ないぃ?」
にわかに信じがたく、もう1度聞き返す。
「だからぁ~冷蔵庫が壊れてから…買い替えるお金がないのよ」
大人びた口調で、ひよりちゃんが言うので、思わず同情のまなざしで見る。
「冷蔵庫、ないと困るでしょ?」
さらにひよりちゃんが言うので…さすがにマズイこと、言ったのかなぁと、
待子は口ごもる…
だけどひよりちゃんは落ち着いていて、まったく気にしていないようだ。
「こっちよ」と言うと、ひよりちゃんは先頭に立って、
ズンズンとまっすぐに突き進んで行った。
入ってすぐには、部屋が2つあり、見た感じは、2階と同じような
造りだ。
丁度物干し台の隣の部屋にあたる辺りに、キッチンがあるようだ。
ここがどうやら、違うところのようだ。
その部屋のスリガラスが、ほんの少し開いていたので、
思わずのぞき込むと
「ここの人は、外国人なの」と平気な顔で、部屋の前を素通りする。
(あら、知ってるんだ)と裕太は驚いた。
スリガラスには、何かポスターが、1か所テープがはがれて、
ヒラヒラと揺れていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる