桜ハウスへいらっしゃい！

第６章 魔女の館へようこそ！

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　　もちろん運び込まれたのは、家電だけではない。
布団も、布団袋に入ったまま、押入れに入っていた。
昨日のダンボールもそのまま、手つかずで、折り畳んだダンボールは、
ひもで縛って、部屋の隅に立てかけてある。
「あとは、今日買ってきたものが、配達されるのを待つだけね」
ようやくちょっと安心したように、ため息をつくと、
「手伝おうか？」
ニコニコしながら、ひよりちゃんは待子の顏を見上げた。
「お隣さんのよしみでね！」と言うので、ずいぶん大人びた言葉を
使うんだなぁと、待子は思う。
「隣は確か…あの金髪の女の子でしょ？」
言いながら、昨日の夜中、いきなり窓から飛び込んできたあの女の子を
思い出した。
「そうだけどさぁ～でも、物干し台をはさんで、隣でしょ！」
あくまでも『お隣さん』と言いたいようだ。
「それって、厳密には隣とは言わないんじゃないのかなぁ」
何が何でも、隣だと言い張るひよりちゃんに、大人げなく言い返している。
ちょっとくらい、いいかぁ～と若干、この小さな女の子のことを
可愛いなぁと思っていた。
（そんなに気に入ってくれたのか…）
何だか不思議な気分だ。
やっぱり、どんなに大人びていても、こういうところは子供だ、と思う。
こういうところは、可愛いなぁと。
歳の近いお姉さんに、おそらく親近感があるのだろう。
ここは平均年齢４０くらいの場所だから…待子の存在が丁度いいのだろう。
勝手に想像して、何だかうれしくなる待子だ。