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第6章 魔女の館へようこそ!
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急に気まずくなり、待子はあわてて戸の内側に、首を引っこめる。
「あっ、おはよぉ」
待子の戸惑いには、一切気にならないようで、その人は明るく声をかける。
その頃には、待子もすっかり目が覚めて、閉めかけた戸をもう1度
開き、あいさつをする余裕も出来た。
「おはようございます」
今度こそ、きちんと戸から顔を出す。
「ごめんね、うるさかったでしょ?
私、朝が苦手でねぇ~
前にいた人から、ちょくちょく苦情を言われてたんだけどねぇ」
ヘラリと笑って見せると、申し訳なさそうに、隣の女は頭を下げた。
大きなティーシャツに、短パンの女性。
すっぴんの顏には、大きなくまが浮かび上がっていて、
その上には、ボサボサの金髪が、ばさりと垂れている。
昨日はあまり顔が見えていなかったけれど、こうして見ると、
思ったよりも若いようだ…
「あっ、私も、朝起きるのが苦手で、いつも母に起こしてもらってるんです」
あわてて待子は、言い訳のように付け足すと、
その人は、安心したように、うっすらと笑みを浮かべてみせた。
この人は、お隣さんだったんだ…と、あらためて思うと、
これからもこういう朝が、続くんだ…と何だか不思議な気分がする。
もちろん、トイレも洗濯機もお風呂も共同となると…
ここはやはり、イヤでも他の住人と、顔を突き合わせるようになる…と
考えさせられた。
初顔合わせは、まさかの侵入者のお陰で、勢い済ませてしまった
ことになるけれど。
(この辺は、少し気持ちが楽になった)
それでもやはり、挨拶はしといたほうが、いいのかなぁ~と、
ひそかに悩む待子だ。
まずは引っ越し初日。
何から始めたらいいのだろう…
忙しい1日になりそうだ。
「あっ、おはよぉ」
待子の戸惑いには、一切気にならないようで、その人は明るく声をかける。
その頃には、待子もすっかり目が覚めて、閉めかけた戸をもう1度
開き、あいさつをする余裕も出来た。
「おはようございます」
今度こそ、きちんと戸から顔を出す。
「ごめんね、うるさかったでしょ?
私、朝が苦手でねぇ~
前にいた人から、ちょくちょく苦情を言われてたんだけどねぇ」
ヘラリと笑って見せると、申し訳なさそうに、隣の女は頭を下げた。
大きなティーシャツに、短パンの女性。
すっぴんの顏には、大きなくまが浮かび上がっていて、
その上には、ボサボサの金髪が、ばさりと垂れている。
昨日はあまり顔が見えていなかったけれど、こうして見ると、
思ったよりも若いようだ…
「あっ、私も、朝起きるのが苦手で、いつも母に起こしてもらってるんです」
あわてて待子は、言い訳のように付け足すと、
その人は、安心したように、うっすらと笑みを浮かべてみせた。
この人は、お隣さんだったんだ…と、あらためて思うと、
これからもこういう朝が、続くんだ…と何だか不思議な気分がする。
もちろん、トイレも洗濯機もお風呂も共同となると…
ここはやはり、イヤでも他の住人と、顔を突き合わせるようになる…と
考えさせられた。
初顔合わせは、まさかの侵入者のお陰で、勢い済ませてしまった
ことになるけれど。
(この辺は、少し気持ちが楽になった)
それでもやはり、挨拶はしといたほうが、いいのかなぁ~と、
ひそかに悩む待子だ。
まずは引っ越し初日。
何から始めたらいいのだろう…
忙しい1日になりそうだ。
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