桜ハウスへいらっしゃい!

daisysacky

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第6章  魔女の館へようこそ!

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「なに、どうしたの?」
「何ごと?
「大丈夫?」
ようやく人の声が、廊下に響いて来た。
「どろぼう?警察?」
「救急車は?」
「電話、誰か、電話、電話!」
バタバタバタバタ…
部屋の外の廊下を、あわただしく、走り回る音がする。
待子はひたすら
「誰かぁ~助けてぇ」
叫び続け、恐怖で、頭の中が、真っ白になってしまった。
「あんた、だれぇ~?
 ドロボー~!」
負けじとばかりに、いつの間にか声を張り上げて、叫び
こわがっている待子の耳に、
ガタガタガタ…
ようやく鍵を開ける音がして、
「一体、どうしたの?何の騒ぎ?」
待子の部屋の引き戸が、やっと開かれると、
わらわらわら…
女たちが、中へとなだれ込んで来た。

 いきなり扉から、大量の女たちが、血相を変えて、
飛び込んできたので…
待子はこれまた、ひどく驚いて…
先ほど騒いだことなど、すっかり忘れてしまいそうになった。
「どうしたの?」
そんな女たちのすき間から、ようやく大家さんを見つけると、
張りつめていた緊張が、一気に解けて、
ヘナヘナ…と待子はその場で、しゃがみ込んでしまった。
飛び込んで来た、女たちも、
それにさらに驚く待子も…
とにかくお互いに、ひどく驚いたので、
一体、何があったのか、両者ともに、わかっていない様子なので、
待子はどうしたらいいのか…わからなくなり、
ペタン、とその場に座り込んでしまった。
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