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第1章 そして決戦の火ぶたが落とされる
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するとじぃっと待子に目線を合わせると、
「私ね、1人暮らしをして…自分で生活することを、学びたい
と言ったの。
親のありがたさもわかるし…
ダメだと思ったら、それこそ自宅から、新幹線通学?してもいいって
言ったの。
このままだと、一生、ニートよ、それでもいいの?と脅したら…
条件付きで、許してくれたの」
まっすぐに視線を向け、杏子は幾分真剣な面持ちで、待子に言った。
待子はその視線を受けて、真面目な表情を浮かべる。
「条件付き?」
「そう!」
杏子はまっすぐに、待子を見つめる。
「なに?」
何だか嫌な予感がする…
杏子はニヤッと笑って
「待子と一緒の所へ、行くこと!」
パパッと早口で言ってのける。
「えっ?」
聞き違いではなかろうか…と、キョトンとする。
すると挑む目付きで、
「そう…だから待子も、がんばって合格してくれなくては!」
半ば真面目な目付きで…しかしおどけるような口調で、杏子は言う。
「私が、あの家を出るには…待子がいないと、困るのよぉ」
それはとても思いがけなくて…
まさかそれが、本当のことなのだ、とは、思えなかったけれども。
それでも杏子の真剣な顔を見ていると…
それに押されるようにして、
「うん」とうなづいていた。
それは、大学の願書を出す、1週間前の出来事だった…
「私ね、1人暮らしをして…自分で生活することを、学びたい
と言ったの。
親のありがたさもわかるし…
ダメだと思ったら、それこそ自宅から、新幹線通学?してもいいって
言ったの。
このままだと、一生、ニートよ、それでもいいの?と脅したら…
条件付きで、許してくれたの」
まっすぐに視線を向け、杏子は幾分真剣な面持ちで、待子に言った。
待子はその視線を受けて、真面目な表情を浮かべる。
「条件付き?」
「そう!」
杏子はまっすぐに、待子を見つめる。
「なに?」
何だか嫌な予感がする…
杏子はニヤッと笑って
「待子と一緒の所へ、行くこと!」
パパッと早口で言ってのける。
「えっ?」
聞き違いではなかろうか…と、キョトンとする。
すると挑む目付きで、
「そう…だから待子も、がんばって合格してくれなくては!」
半ば真面目な目付きで…しかしおどけるような口調で、杏子は言う。
「私が、あの家を出るには…待子がいないと、困るのよぉ」
それはとても思いがけなくて…
まさかそれが、本当のことなのだ、とは、思えなかったけれども。
それでも杏子の真剣な顔を見ていると…
それに押されるようにして、
「うん」とうなづいていた。
それは、大学の願書を出す、1週間前の出来事だった…
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