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第15章 ラストダンスはあなたと…
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「残念だなぁ」
彼がそう言うと…珠紀まで、本当にひどくガッカリとした気分になる。
「ごめんなさい…」
消え入りそうな声を出して、シュンとして下を向くと
「何を謝っているの?」
これまでになく優しい顔で、彼は珠紀の顔をのぞき込んだ。
「ここで、何をしてるんですか?」
あらためて彼を見ると、彼は傍らに置いているフルートを手に取り
「見ての通り、フルートを吹いてた」
ちょっぴりふざけた顔をする。
「そうじゃなくて…」
珠紀が一生懸命に、何と言ったらいいのだろう…と考える。
「どうしてここに?」
しかも1人で…
なんで、フルートを?
だが彼は笑うばかりで、
「なんでだろうねぇ」
と、まともな答えを返してこない。
「そうだなぁ~しいて言うなら…」
眼下を見下ろすと、
「ここに来ると、落ち着くんだ」
目を細めた。
そう言われてみると、そうかもしれない。
珠紀は彼と並んで、外を眺めた。
朝の空気が優しい。
鳥のさえずり。
柔らかな日差し。
ゆっくりと上ってくる太陽…
珠紀もつられて、笑顔になる。
「ね、あなたも…」
思わず珠紀は、武雄の手を取る。
「私と一緒に、帰りませんか?」
思わず言葉がこぼれた。
「えっ」
それは言うはずのない言葉だった。
彼の顔を見ているとふいに、自然と口走っていた。
自分は何を言っているのだ?
珠紀はあわてる。
「あっ、いや、深い意味はないです」
あわてて珠紀は、手を離した。
(これじゃ、まるで、プロポーズだ)
それに気づくと、急に穴があったら入りたい…
そんな気恥ずかしさで、耳まで熱くなった。
彼がそう言うと…珠紀まで、本当にひどくガッカリとした気分になる。
「ごめんなさい…」
消え入りそうな声を出して、シュンとして下を向くと
「何を謝っているの?」
これまでになく優しい顔で、彼は珠紀の顔をのぞき込んだ。
「ここで、何をしてるんですか?」
あらためて彼を見ると、彼は傍らに置いているフルートを手に取り
「見ての通り、フルートを吹いてた」
ちょっぴりふざけた顔をする。
「そうじゃなくて…」
珠紀が一生懸命に、何と言ったらいいのだろう…と考える。
「どうしてここに?」
しかも1人で…
なんで、フルートを?
だが彼は笑うばかりで、
「なんでだろうねぇ」
と、まともな答えを返してこない。
「そうだなぁ~しいて言うなら…」
眼下を見下ろすと、
「ここに来ると、落ち着くんだ」
目を細めた。
そう言われてみると、そうかもしれない。
珠紀は彼と並んで、外を眺めた。
朝の空気が優しい。
鳥のさえずり。
柔らかな日差し。
ゆっくりと上ってくる太陽…
珠紀もつられて、笑顔になる。
「ね、あなたも…」
思わず珠紀は、武雄の手を取る。
「私と一緒に、帰りませんか?」
思わず言葉がこぼれた。
「えっ」
それは言うはずのない言葉だった。
彼の顔を見ているとふいに、自然と口走っていた。
自分は何を言っているのだ?
珠紀はあわてる。
「あっ、いや、深い意味はないです」
あわてて珠紀は、手を離した。
(これじゃ、まるで、プロポーズだ)
それに気づくと、急に穴があったら入りたい…
そんな気恥ずかしさで、耳まで熱くなった。
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