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第15章 ラストダンスはあなたと…
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ここはあのバラの庭の家よりも、一回り大きな屋敷だ。
玄関ホールから2階へと階段でつながっている。
(もしもこんな大きな家で1人で住んでいたら…寂しくなったり
しないのかなぁ?)
ふいに珠紀に疑問が浮かんだ。
「あとで、坊ちゃんに案内してもらえば、いいじゃない」
山内さんは珠紀にそっとささやく。
おそらくは気を利かしたつもりなのだろうが…
すると「大丈夫ですよ」
まるで珠紀の心を読んだように、山内さんは余裕の笑顔を見せる。
「坊ちゃんはねぇ、私には決して、怒ったりはしないんですよ」
なぜだか誇らしげに、自信満々な表情で珠紀に言う。
なんで?と思っていると、
「私はね、坊ちゃんが小さな頃から、ずぅっとお側にお仕えして
いるんですよ」
しみじみとした口調で言う。
「丁度奥様が病気の頃に、奥様に頼まれたんです」
山内さんはちょっと遠い目をする。
「奥様がダンナ様を、まだ若い頃に亡くされて…
坊ちゃんの将来のことが、心配だったのでしょうねぇ」
まるで昨日の事のように、スラスラと言う。
「私にね、これからも坊ちゃんのこと、支えてやってくれ、と
言われたんです」
そう言う山内さんの瞳は、ここではない、はるかかなたを
見つめているような気がした。
おそらくこの人は…ずぅっとその言いつけを守り、力にも
なってきたんだろう。
「ここはね、奥様の終の棲家として、たいそう気に入って
いらっしゃったんですよ」
彼女は今まで、どんな思いで彼のことを見てきたのだろう?
珠紀はふと、山内さんの心の在り方を思う。
玄関ホールから2階へと階段でつながっている。
(もしもこんな大きな家で1人で住んでいたら…寂しくなったり
しないのかなぁ?)
ふいに珠紀に疑問が浮かんだ。
「あとで、坊ちゃんに案内してもらえば、いいじゃない」
山内さんは珠紀にそっとささやく。
おそらくは気を利かしたつもりなのだろうが…
すると「大丈夫ですよ」
まるで珠紀の心を読んだように、山内さんは余裕の笑顔を見せる。
「坊ちゃんはねぇ、私には決して、怒ったりはしないんですよ」
なぜだか誇らしげに、自信満々な表情で珠紀に言う。
なんで?と思っていると、
「私はね、坊ちゃんが小さな頃から、ずぅっとお側にお仕えして
いるんですよ」
しみじみとした口調で言う。
「丁度奥様が病気の頃に、奥様に頼まれたんです」
山内さんはちょっと遠い目をする。
「奥様がダンナ様を、まだ若い頃に亡くされて…
坊ちゃんの将来のことが、心配だったのでしょうねぇ」
まるで昨日の事のように、スラスラと言う。
「私にね、これからも坊ちゃんのこと、支えてやってくれ、と
言われたんです」
そう言う山内さんの瞳は、ここではない、はるかかなたを
見つめているような気がした。
おそらくこの人は…ずぅっとその言いつけを守り、力にも
なってきたんだろう。
「ここはね、奥様の終の棲家として、たいそう気に入って
いらっしゃったんですよ」
彼女は今まで、どんな思いで彼のことを見てきたのだろう?
珠紀はふと、山内さんの心の在り方を思う。
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