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第12章 優しくしてよ、モンスター
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さすがの珠紀も、今来た道をすべて、頭に入れることには
自信がない。
(これは…1人では、逃げられないかも!)
そんなことしたら、迷子になるのがオチだ、と珠紀は少なからず
ガッカリしていた。
やはりこの人に、解放されるまでは、待たないといけないのかぁ。
そう思うと、心にずっしりと重しが入ったような気分になった。
だけどそれとは裏腹に、次第に外に近付いて来ているのが、わかる。
それは音だ。
かすかに…水のサラサラと流れる音が、聞こえてきた。
小川?
噴水?
水道?
一体なんなのだろう…と、珠紀は頭をひねっていた。
もちろんその男は…そんな珠紀の様子に気付かずに、平然と歩いて行く。
「キミの友達ね、1人でがんばっているみたい」
いきなりぼそっと言うので…
それって、玲のこと?と、思わず彼女はそう思う。
あれこれと考え込んでいると、急に憐れむように
男が見て…
「女の子たちは、すぐに帰ったよ。
男の子たちは、結構がんばってたみたいだけど…
最近、帰ったみたいだねぇ」
その言葉を黙って聞くと、
(そうなんだ!私…忘れられたの?)
置いてきぼりになった事実に、ひどくショックを受けた。
だが男はなぜだかスッキリとした顔をして、
「約束通り、君を帰してあげるよ!
もともとそのつもりだったし」
珠紀の手を取ったまま、扉を開けると、ようやく外へと
導いた。
あんなに待ちわびていた外なのに…
なぜだか珠紀は、あまりうれしくはない。
浮かない顔で、1歩外に踏み出すと…
いきなり目の前に、見事なバラの園が広がっていた。
自信がない。
(これは…1人では、逃げられないかも!)
そんなことしたら、迷子になるのがオチだ、と珠紀は少なからず
ガッカリしていた。
やはりこの人に、解放されるまでは、待たないといけないのかぁ。
そう思うと、心にずっしりと重しが入ったような気分になった。
だけどそれとは裏腹に、次第に外に近付いて来ているのが、わかる。
それは音だ。
かすかに…水のサラサラと流れる音が、聞こえてきた。
小川?
噴水?
水道?
一体なんなのだろう…と、珠紀は頭をひねっていた。
もちろんその男は…そんな珠紀の様子に気付かずに、平然と歩いて行く。
「キミの友達ね、1人でがんばっているみたい」
いきなりぼそっと言うので…
それって、玲のこと?と、思わず彼女はそう思う。
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「女の子たちは、すぐに帰ったよ。
男の子たちは、結構がんばってたみたいだけど…
最近、帰ったみたいだねぇ」
その言葉を黙って聞くと、
(そうなんだ!私…忘れられたの?)
置いてきぼりになった事実に、ひどくショックを受けた。
だが男はなぜだかスッキリとした顔をして、
「約束通り、君を帰してあげるよ!
もともとそのつもりだったし」
珠紀の手を取ったまま、扉を開けると、ようやく外へと
導いた。
あんなに待ちわびていた外なのに…
なぜだか珠紀は、あまりうれしくはない。
浮かない顔で、1歩外に踏み出すと…
いきなり目の前に、見事なバラの園が広がっていた。
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