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第11章  ここはカラクリ屋敷?

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  だけどこれで…珠紀との唯一の連絡手段が、なくなった…
玲はガッカリとするのだった。
 じっとうつむく玲に気が付くと、秀人はポンと肩をたたくと、
「大丈夫だよ!きっと見つかるよ」
明るい声で、彼女を慰める。
「でも…どうやって?」
キラキラと光るラインストーンを散りばめた、スマホを見つめると…
先輩の能天気な声が響く。
「だって、こんなに心配してくれる人がいるんだよ。
 きっと大丈夫だよ」
何の根拠もなく、そう言う。
喜んでいいのか、悲しめばいいのか、わからない。
呆れるくらい、のん気な秀人の顔を見ると、玲は顔をゆがめた。

(先輩は無責任だなぁ。
 そんなに簡単に、見つかるわけがないじゃない!)
もちろん八つ当たりだ…というのは、わかっている。
自分があの時、珠紀を置いて逃げなければ…もしかしたら、
自分がその立場だったのかもしれない、と玲はひどく後悔していた。
「それよりも!」
思い出したように、秀人は声を上げる。
「入り口みたいなの、見つけたよ!」
嬉しそうに、ほらっ!と玲の背中を押す。
(それって、本当なの?)
内心疑いながらも…それでも押されるままに、玲はとりあえず歩いた。

 なんだか少年のように、目を輝かせて、秀人は入り口を指し示す。
バラの枝に埋もれるようにして、その扉は確かに存在した。
ガラスの温室には似つかわしくない、とても地味で目立たない
木の扉だ。
金属の輪っかがついていて、それをぐぃっと秀人が握り締める。
「カギがかかっているんじゃあないですか?」
咎めるようにして、玲は言った。
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