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第7章 エマージェンシー!
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「私たち…あの庭へ行ったんです。
そうしたら…」
興味津々の目で、先輩たちが一斉にこちらを見ている。
玲は少し恥ずかしそうに、頭をかくと
「あの庭の管理人、という男の人が、私たちの前に現れたんです」
ようやく先輩に告げた。
(そうだ、珠紀を助けなくちゃ!)
ふいに玲は我に返ると
「あの子…きっと あの男に、捕まっているわ!助けなくちゃ!」
早口にそう言うと、落ち着きなく辺りを見回した。
「あの子って、タマキちゃん?」
なぜだか秀人先輩が、食いついてくる。
賢人先輩は、隣でニヤニヤしている。
また始まった…と思っているのだ。
(秀人先輩は、フェミニストなようだ)
「どういうこと?」
先輩たちが急にヘラヘラとして、冷やかしモードになっている。
そんな中、秀人先輩が、さすがにことの次第を理解したようで、
サッと青ざめる。
「もしかして…それって、アイツなのかもしれない」とつぶやく。
「アイツ?」
何よ、それ…
元々ここへ来るのも、予備知識がない方がいい…と、
何も知らされてはいないのだ。
それでも何となく…玲は、何かマズイことがあったのだ…と理解した。
「なんなんだよ?」
ようやく賢人が、秀人を突っつく。
秀人は、「だから?」と言うと、賢人の腕をつかんで、
こそこそと人の輪から外れる。
何を話しているのかは、わからないけれど…
おそらく心当たりがあるのだろう。
「そうなのか?ヤツが?」
コソコソしている割には、時折興奮して、大きな声の賢人の声が
聞えてきた。
(何よ、一体?)
そう思うけれど…おそらくマズイことなのだろう。
ようやく玲も、事態を察して、顔を引きつらせた。
「わかった!予定を変更して…珠紀くんを助けよう!」
クルリと向き直ると、秀人は玲に向かって宣言した。
そうしたら…」
興味津々の目で、先輩たちが一斉にこちらを見ている。
玲は少し恥ずかしそうに、頭をかくと
「あの庭の管理人、という男の人が、私たちの前に現れたんです」
ようやく先輩に告げた。
(そうだ、珠紀を助けなくちゃ!)
ふいに玲は我に返ると
「あの子…きっと あの男に、捕まっているわ!助けなくちゃ!」
早口にそう言うと、落ち着きなく辺りを見回した。
「あの子って、タマキちゃん?」
なぜだか秀人先輩が、食いついてくる。
賢人先輩は、隣でニヤニヤしている。
また始まった…と思っているのだ。
(秀人先輩は、フェミニストなようだ)
「どういうこと?」
先輩たちが急にヘラヘラとして、冷やかしモードになっている。
そんな中、秀人先輩が、さすがにことの次第を理解したようで、
サッと青ざめる。
「もしかして…それって、アイツなのかもしれない」とつぶやく。
「アイツ?」
何よ、それ…
元々ここへ来るのも、予備知識がない方がいい…と、
何も知らされてはいないのだ。
それでも何となく…玲は、何かマズイことがあったのだ…と理解した。
「なんなんだよ?」
ようやく賢人が、秀人を突っつく。
秀人は、「だから?」と言うと、賢人の腕をつかんで、
こそこそと人の輪から外れる。
何を話しているのかは、わからないけれど…
おそらく心当たりがあるのだろう。
「そうなのか?ヤツが?」
コソコソしている割には、時折興奮して、大きな声の賢人の声が
聞えてきた。
(何よ、一体?)
そう思うけれど…おそらくマズイことなのだろう。
ようやく玲も、事態を察して、顔を引きつらせた。
「わかった!予定を変更して…珠紀くんを助けよう!」
クルリと向き直ると、秀人は玲に向かって宣言した。
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