84 / 286
第6章 禁断の花園
5
しおりを挟む
「まずは、行きながら話そうか」
これ以上遅くなったらいけない…と、先輩は1同をうながした。
「本当は、ホテル内の探索をしたいけど、それは明日にしようか」
そう言うので…あまり遅くはならないのかな、と珠紀はホッとした。
「えーっ、そうなんですかぁ?」
玲は思いっきり、甘えた声で拗ねて見せるけれど、先輩たちに軽くスルー
されたので、ちょっとムッとした顔になった。
「御覧の通り、案内図がないだろ?
たぶんね、フロントで聞いても、教えてくれそうにないんだ」
じゃあ、どうするの、と玄関に向かう途中、チラリとフロントの方を
振りかえった。
昼間と違い、2人しか姿が見えない。
さらに何事か、電話で話し込んでいるようだ。
「そうなんですかぁ?」
珠紀もつられて、振り向きざま、チラリと見る。
すると電話をしている方の1人と、一瞬目が合ったような気がした。
めいめい懐中電灯を手に、例の回転扉をくぐり抜ける。
「ねぇ~ここ、夜中に鍵がかかったりしませんよね?」
一瞬不安になり、珠紀が声をもらすと
「大丈夫だろ?」
いかにも軽い調子で、秀人先輩が言う。
変なことになってしまった。
大丈夫かなぁ?
だがうまく回転扉をくぐり抜け、外に無事躍り出ると、思わず後ろを
振り返る。
もちろん特別に、何かが見えるわけではないけれど、こうしてあらためて
見ると…やけに古めかしくて、年代を感じさせる建物に見えた。
「さ、さっさと行こうぜ!」
ポン、と珠紀の肩をたたくと、先輩はスタスタ歩く。
こんなところで、置いてきぼりになったら大変、と珠紀はあわてて
その後ろを追いかける。
このホテルは、少し小高い山の上にあり、周りにはこれといって、
何もない。
もしも迷ってしまったら、何を目印にしたらいいのだろう?
何だか不安になって来る。
そんな珠紀とは裏腹に、隣にいる玲は、何だか楽しそうに、
スキップをするように、足元軽く歩いていた。
これ以上遅くなったらいけない…と、先輩は1同をうながした。
「本当は、ホテル内の探索をしたいけど、それは明日にしようか」
そう言うので…あまり遅くはならないのかな、と珠紀はホッとした。
「えーっ、そうなんですかぁ?」
玲は思いっきり、甘えた声で拗ねて見せるけれど、先輩たちに軽くスルー
されたので、ちょっとムッとした顔になった。
「御覧の通り、案内図がないだろ?
たぶんね、フロントで聞いても、教えてくれそうにないんだ」
じゃあ、どうするの、と玄関に向かう途中、チラリとフロントの方を
振りかえった。
昼間と違い、2人しか姿が見えない。
さらに何事か、電話で話し込んでいるようだ。
「そうなんですかぁ?」
珠紀もつられて、振り向きざま、チラリと見る。
すると電話をしている方の1人と、一瞬目が合ったような気がした。
めいめい懐中電灯を手に、例の回転扉をくぐり抜ける。
「ねぇ~ここ、夜中に鍵がかかったりしませんよね?」
一瞬不安になり、珠紀が声をもらすと
「大丈夫だろ?」
いかにも軽い調子で、秀人先輩が言う。
変なことになってしまった。
大丈夫かなぁ?
だがうまく回転扉をくぐり抜け、外に無事躍り出ると、思わず後ろを
振り返る。
もちろん特別に、何かが見えるわけではないけれど、こうしてあらためて
見ると…やけに古めかしくて、年代を感じさせる建物に見えた。
「さ、さっさと行こうぜ!」
ポン、と珠紀の肩をたたくと、先輩はスタスタ歩く。
こんなところで、置いてきぼりになったら大変、と珠紀はあわてて
その後ろを追いかける。
このホテルは、少し小高い山の上にあり、周りにはこれといって、
何もない。
もしも迷ってしまったら、何を目印にしたらいいのだろう?
何だか不安になって来る。
そんな珠紀とは裏腹に、隣にいる玲は、何だか楽しそうに、
スキップをするように、足元軽く歩いていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる