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第6章  禁断の花園

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「えぇ~っ」
 なんだかとんでもないことが、起きそうな気がして、珠紀は少し
気が引けている。
それにもかまわず、玲はさっさと先輩たちに近付くと
「遅れてすみませーん」
妙にハイテンションな声で、ズカズカと歩み寄る。
(このロビー、こんなに薄暗かったっけ?)
すでにほの暗いランプが、ともされている状態だ。
(なに?これからキモダメシ大会でもするの?)
半ばヤケクソな気分で、玲の後を追っかけて行くと…
「お~っ!本当に来てくれたんだね!」
秀人先輩の嬉しそうな声が、響いた。
(もしかして…私たちのこと、待ってたの?)
少し照れたように、頭をかいて、珠紀たちは先輩たちの輪に加わった。
 それにしても…見事なくらい、女の先輩たちの姿が見えない…
(大丈夫?)
一瞬珠紀は不安になった。
もちろん信用してはいるけれど…困ったことにならなければいいけれど…
「すみません、ちょっと迷っちゃって!」
珠紀の不安とは裏腹に、玲はいつもよりも、ワントーン声が高い。
 それにしても、何だかマズイことになってきたぞ、と
珠紀の気持ちがぐらぐらと揺れた。

「君たち…お風呂には、行ってないの?」
ふいに秀人先輩が聞く。
よく見ると、先輩たちはすっかりリラックスした様子で、
Tシャツとジャージ姿だ。
「あっ、はい!でも…終わってからでいいです」
にこやかに、玲が応じる。
それにしても…と珠紀は横目で彼女を見る。
こんな時…玲はいつも、愛想がいいのだ。
「で、先輩。これからどこへ、行くんですかぁ?」
玲の少し甘えたような声に、聴いている珠紀が恥ずかしくなる。
秀人先輩はニヤニヤとして、たばこを1本、口にくわえると、
「そうだねぇ~とりあえず、中庭にでも、行ってみる?」
いつもの優しい笑顔で聞いてきた。
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