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第5章 謎の肖像画
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「ここは慣れている者でも、迷いやすいし…
何があっても、ホテルの人は、責任を持たないよ」
なんだか物騒なことを、おばさんは言う。
それに、とても言いにくそうに、こちらを見ている…
(えっ、どういうこと?)
玲はみるみる眉根をキュッとしかめた。
なによ、ずいぶんいい加減な…
文句を言いたそうにしていたので、珠紀はあわてて
「はい」とうなづく。
チラリと玲を見ると、まだ不満そうにしている。
だけども確かに…この真っ暗な階段の隅から、何かが出て来ても、
少しも不思議ではないな…
そんな気がしてきた。
「まさか、オバケが出るとか?」
冗談めかして、珠紀が軽い調子で聞くと、おばさんはうなづきながら
「あるかもしれないわねぇ」
いかにも意味ありげに言う。
「うそっ!」
小さく玲がつぶやくのが、聞こえる。
ともかく…安全な場所に出よう…と珠紀は思い、
「どうする?」と玲に聞いた。
まさかこう薄暗い、とは思っていなかったので、懐中電灯も
何も持っていない。
「どうするって?」
携帯の灯りを頼りに、階段の中を照らしだす。
幸いまだ、さほど階段を下りていないので、すぐに元のフロアには
戻れるだろう。
苦手だけど、あのエレベーターを使うか、
それともこのまま階段を下りるのか…
どっちにしても、ゾッとしないなぁと、珠紀は肩をすくめた。
「あっ、そうそう!」
オバサンは、クルリと振り返ると、珠紀たちに声をかける。
「闇に引きずり込まれないように、気を付けて!」
意味不明な言葉を残して、エレベーターホールの方へと
消えて行った。
取り残されてしまうと、急に不安になってくる。
こうしている間にも、今にも幽霊が出て来そうで、背中から
汗が垂れてくる。
こんなこと言ったら、きっと玲に笑われてしまいそうだけれど、
珠紀はすっかり腰が引けていた。
何があっても、ホテルの人は、責任を持たないよ」
なんだか物騒なことを、おばさんは言う。
それに、とても言いにくそうに、こちらを見ている…
(えっ、どういうこと?)
玲はみるみる眉根をキュッとしかめた。
なによ、ずいぶんいい加減な…
文句を言いたそうにしていたので、珠紀はあわてて
「はい」とうなづく。
チラリと玲を見ると、まだ不満そうにしている。
だけども確かに…この真っ暗な階段の隅から、何かが出て来ても、
少しも不思議ではないな…
そんな気がしてきた。
「まさか、オバケが出るとか?」
冗談めかして、珠紀が軽い調子で聞くと、おばさんはうなづきながら
「あるかもしれないわねぇ」
いかにも意味ありげに言う。
「うそっ!」
小さく玲がつぶやくのが、聞こえる。
ともかく…安全な場所に出よう…と珠紀は思い、
「どうする?」と玲に聞いた。
まさかこう薄暗い、とは思っていなかったので、懐中電灯も
何も持っていない。
「どうするって?」
携帯の灯りを頼りに、階段の中を照らしだす。
幸いまだ、さほど階段を下りていないので、すぐに元のフロアには
戻れるだろう。
苦手だけど、あのエレベーターを使うか、
それともこのまま階段を下りるのか…
どっちにしても、ゾッとしないなぁと、珠紀は肩をすくめた。
「あっ、そうそう!」
オバサンは、クルリと振り返ると、珠紀たちに声をかける。
「闇に引きずり込まれないように、気を付けて!」
意味不明な言葉を残して、エレベーターホールの方へと
消えて行った。
取り残されてしまうと、急に不安になってくる。
こうしている間にも、今にも幽霊が出て来そうで、背中から
汗が垂れてくる。
こんなこと言ったら、きっと玲に笑われてしまいそうだけれど、
珠紀はすっかり腰が引けていた。
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