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第4章 湖のほとりで
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振り向くと…正面に先ほどまでいたホテルが、威圧的にそびえている。
他には目立つものが、何も見えないけれども…
これが湖なのか、というくらい大きな水面が、木々の間から
姿を見せていた。
「あったぁ」
思わずつぶやく珠紀と、
「ホントだねぇ」
機嫌を直したのか、ピッタリと玲も傍らに寄り添って、口を最大限に
無防備なくらいに、大きく開いた。
あのホテルとは、関係性は見いだせないけれど。
「夜になるとね、月とお城が、あの湖に映るんだ」
いつの間にか、秀人先輩が近くに立っていて、少しウットリした顔で言う。
「とっても…きれいなんだぞぉ」と力を込めて言うので、
それは是非、見たいものだ…と珠紀も羨ましそうにする。
「えっ、そうなんですか?」
早速先輩を見つけると、思わず玲が先輩に近付こうとする。
いつの間にか日も伸びて、まだ明るい空が見えている。
湖面は静かに、その光をたたえていて…
特にこれといって、変わったところは見受けられない。
なんでここに来たんだろう?
そう思うけれども、おそらく夕食前の散策なのだろう…
涼やかな風が、さぁ~っと流れて、心地よく彼らを迎え入れている。
「ボートでもないの?」
早速鼻にかかった声で、気恥ずかしいくらい甘えた調子で、
カオリ先輩が先輩に言う。
「あるんじゃあないかなぁ」
さして熱意のない様子で、先輩は湖のほとりを探し始める。
なんとなく手持ち無沙汰な1同は、みんなフラフラとそぞろ歩く。
いきなり秀人先輩が振り向くと、
「この近くにホコラがあるけど、触らないで!」
突然鋭い声を上げた。
「えっ、なに?」
玲がビクリとして、振り返る。
丁度うっそうとした草の群れのすき間から、何か石のようなものを
見つけた。
他には目立つものが、何も見えないけれども…
これが湖なのか、というくらい大きな水面が、木々の間から
姿を見せていた。
「あったぁ」
思わずつぶやく珠紀と、
「ホントだねぇ」
機嫌を直したのか、ピッタリと玲も傍らに寄り添って、口を最大限に
無防備なくらいに、大きく開いた。
あのホテルとは、関係性は見いだせないけれど。
「夜になるとね、月とお城が、あの湖に映るんだ」
いつの間にか、秀人先輩が近くに立っていて、少しウットリした顔で言う。
「とっても…きれいなんだぞぉ」と力を込めて言うので、
それは是非、見たいものだ…と珠紀も羨ましそうにする。
「えっ、そうなんですか?」
早速先輩を見つけると、思わず玲が先輩に近付こうとする。
いつの間にか日も伸びて、まだ明るい空が見えている。
湖面は静かに、その光をたたえていて…
特にこれといって、変わったところは見受けられない。
なんでここに来たんだろう?
そう思うけれども、おそらく夕食前の散策なのだろう…
涼やかな風が、さぁ~っと流れて、心地よく彼らを迎え入れている。
「ボートでもないの?」
早速鼻にかかった声で、気恥ずかしいくらい甘えた調子で、
カオリ先輩が先輩に言う。
「あるんじゃあないかなぁ」
さして熱意のない様子で、先輩は湖のほとりを探し始める。
なんとなく手持ち無沙汰な1同は、みんなフラフラとそぞろ歩く。
いきなり秀人先輩が振り向くと、
「この近くにホコラがあるけど、触らないで!」
突然鋭い声を上げた。
「えっ、なに?」
玲がビクリとして、振り返る。
丁度うっそうとした草の群れのすき間から、何か石のようなものを
見つけた。
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