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第3章 新しい訪問者
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見た目は、中世のヨーロッパの貴族の屋敷を模したような、
重厚感の漂う建物だ。
壁にツタが這うさまも、さらに雰囲気を増している。
いかにも『何か』出て来そうな…ちょっと不気味な空気が漂っているのだ。
それだけでも…夜に来たら、さぞかし怖いだろう…と思わせるのに、
さらに内部も凝っていて、柱の1つ、シャンデリアの1つ1つをとっても、
アンティークな古いものが多く使用されている。
フロントからほど近い柱に置かれた、柱時計の側に、さり気なく置いた鎧も…
まるで夜中に動き出してしまいそうで、近寄るのもためらわれる。
(ホテルの人は、怖くないのだろうか?)
珠紀はふとそう思う。
それにしても!
大理石のつややかな、光を放つ床も、
ツルツルと磨かれた手すりも、
壁にかかった、古色然とした額縁に飾られた絵も、
あちこちに活けられた香り高いバラの花々も。
甘い匂いと共に…まるで催眠術にかけられたみたいに…
どこか奇妙な世界にいざなわれるようで、
カオリ先輩が興奮するのも、無理はないなぁ~と珠紀はひそかに
そう思う。
さらには、さぞかし他の部屋も、すごいだろうなぁ~と期待しながら、
エレベーターホールに近付くと、大きな鏡が壁にはめこまれていて、
一瞬それに移った影を見て、ドキリとした。
(まさかこれに…自分以外で、何か映ったら…)
自分まで、この雰囲気にのまれてしまったのだろうか、と
思わず苦笑したくなる。
男の先輩たちは、まったく動じないで、
(逆に少年のように、楽しんでさえいるように見える)
「なぁ~探検して回ったら、怒られるのかなぁ」
まるで子供のように、ワクワクとした顔をして、楽しそうに
話し込んでいるのだった。
重厚感の漂う建物だ。
壁にツタが這うさまも、さらに雰囲気を増している。
いかにも『何か』出て来そうな…ちょっと不気味な空気が漂っているのだ。
それだけでも…夜に来たら、さぞかし怖いだろう…と思わせるのに、
さらに内部も凝っていて、柱の1つ、シャンデリアの1つ1つをとっても、
アンティークな古いものが多く使用されている。
フロントからほど近い柱に置かれた、柱時計の側に、さり気なく置いた鎧も…
まるで夜中に動き出してしまいそうで、近寄るのもためらわれる。
(ホテルの人は、怖くないのだろうか?)
珠紀はふとそう思う。
それにしても!
大理石のつややかな、光を放つ床も、
ツルツルと磨かれた手すりも、
壁にかかった、古色然とした額縁に飾られた絵も、
あちこちに活けられた香り高いバラの花々も。
甘い匂いと共に…まるで催眠術にかけられたみたいに…
どこか奇妙な世界にいざなわれるようで、
カオリ先輩が興奮するのも、無理はないなぁ~と珠紀はひそかに
そう思う。
さらには、さぞかし他の部屋も、すごいだろうなぁ~と期待しながら、
エレベーターホールに近付くと、大きな鏡が壁にはめこまれていて、
一瞬それに移った影を見て、ドキリとした。
(まさかこれに…自分以外で、何か映ったら…)
自分まで、この雰囲気にのまれてしまったのだろうか、と
思わず苦笑したくなる。
男の先輩たちは、まったく動じないで、
(逆に少年のように、楽しんでさえいるように見える)
「なぁ~探検して回ったら、怒られるのかなぁ」
まるで子供のように、ワクワクとした顔をして、楽しそうに
話し込んでいるのだった。
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