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第2章  伝説のホテル

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「おつかれ~」
 結局秀人と賢人の運転する2台の車に分かれて、珠紀たちは
例のホテル到着した。
着いてからのお楽しみ、ということで、珠紀たち新入生は、
行き先についてや、今後のスケジュールに関しても、
何もまだ、知らされてはいない。
 車で半日かかる場所、というのと、
人里離れた静かなところ、というヒントしか、彼女たちは与えられていなかったのだ。

「何よ、ドッキリなの?」
まるで肝試しみたい、と玲は面白がって笑うけれど…
まさか変な所へ、連れていかれないよね、と珠紀は今さらながら
ひどく気になるのだった。
「大丈夫よぉ~カオリ先輩も、いるんだしぃ」
いくら何でも、気にしすぎ、とあくまでもおおらかな玲だが…
その無防備といえるくらいの、無邪気さと純粋さを呆れるとともに、
何だか羨ましくもなってくる、珠紀なのだ。

 ワゴン車をレンタルしたとはいえ、3時間以上も、座りっぱなしだと、
何もしていないとはいえ、やはりクタクタだ…
もう車に乗っているのに飽きた。
田園風景も、見飽きた、と思っていると…
ようやく遠目から見えていたホテルが、急に大きく
木々のすき間から、その全貌を見せていた。
まだ手を入れている箇所もあるけれども、その堂々たる風格に圧倒される。
「よかったぁ~」
珠紀は思わず、ため息をつく。
「なに?心配してたの?」
助手席に乗っていた、カオリ先輩がクスクス笑いながら、
珠紀たちを振り返っていた。
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