御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…１１５

「ふーん、それだけの為に、ここに来たのか？」
　オジサンは、ヘラッと笑う。
「いいのか？おまえ…こんな所にいて！
　ヤンチャだった時のおまえのことを、この子たちにしゃべったって
　いいんだぞ？」
ひるむどころか、ますますオジサンは、ニヤニヤしながら先生を見る。
「へっ？別に？かまわないけど」
あくまでも先生は、ポーカーフェイスだ。
眉一つ、動かそうとはしない。
「へぇ～」
意味あり気に、オジサンが先生の方を向く。

「先生って、昔、悪いことをしたんですか？」
　のんきな声を出して、なぜか清子が目をキラキラさせて、食いついてくる。
「おい、よせよ」
そんな噂好きなオバサンみたいな、カッコ悪いマネはするなよ。
宗太郎は、清子の腕を突っつく。
「いいじゃないのぉ～
　先生だって、普通の人ってことよ。
　それに、かまわないって、言ってるし」
清子と宗太郎のやり取りを、オジサンは楽しそうに眺めている。
「ホント、悪趣味だなぁ」
先生の代わりに、神林君が非難するように、オジサンを見る。
「なに、カッコつけているんだよ。
　おまえだって、知りたいくせに！」
だがオジサンは、まったく平気な顔をして、堂々と言い返した。