御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…５８

　宗太郎は少しもひるむことなく、言い返す。
それを耳にして、神林君は白けた顔をして見返してくる。
「たぶん…そう思い込まされているだけだ」
　可哀想になぁ～
哀れむ目つきをする。
「じいちゃんは、言ったんだろ？
　『いつでも、遊びにおいで。
　　好きなだけ、遊んでいいんだよ』って…
　だけど、わかっているのか？
　じいちゃんはそうやって、自分のお眼鏡に合う子を、探して
　いたんだとしたら？」
まっすぐに、宗太郎を見返す。

「何のために？」
　だが、宗太郎はあっさりと、引き下がろうとはしない。
「そんなことをして、何の得になるんだ？
　子供たちの格好の遊び場を、提供しているだけだろ？」
　それのどこが、悪いというのだ？
神林君が、何を言いたいのか、わからない…
「そうかぁ～仕方がない。
　あれを見ても、何にも思わないのか？」
すると神林君は、部屋の隅にある、おじいちゃんのベッドを振り返る。

「それは…」
　初めて見た時は、驚いた。
昔遊んでくれた…という老人が、まさかこんなに変わり果てた姿を、
見せよう…とは。
「清子は？
　清子はあれを見て、何も思わないのか？」
まるでムキになったように、神林君が清子に返事を求める。