御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…５７

「何なんだよ！」
　ずいぶん、失礼なヤツだな！
な、そう思うだろ、と清子を振り返る。
彼女も同じような目をして、宗太郎を見ている。
「ね、ソータロー、落ち着いて」
こんな時でも、清子は冷静だ。
「よく、考えてみて…
　何でここに、子供たちがたくさん、集められていたと思う？」
　それは、今まで考えてもいなかったことだ。
宗太郎は「えっ」と一瞬、言葉を詰まらせる。
「それは、逆だろ？
　子供たちが、お化け屋敷に遊びに来ていたんだよ」
　なんで、そんな当たり前のことを聞くんだ？
宗太郎が言い返す。
清子はさらに、宗太郎の方を向く。
「それじゃあ、なんで、子供たちがここに来ていたの？」
「だから…お化け屋敷が珍しくて、来ていたんだろ」
「なんで、珍しかったんだと思う？」
清子は執拗に、質問を繰り返す。
「なんでって…」
それって、何なんだ？
まるで、禅問答みたいだ。
一体清子は、何が言いたいのだろう？
宗太郎には、さっぱり理解が出来ない。

「それはたぶん…じいちゃんに、呼ばれていたからだろ」
　神林君が、なぜか断定的な物言いをする。
「えっ？」
「呼んでた？」
「何のために？」
「ボクは…呼ばれてなんか、いないぞ」
宗太郎は、神林君に向かって、キッパリと言い返した。