御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…５３

「何を言っているんだ？
　犯人って、何のことだ？
　それに、何で神林君が…ここにいるんだよ！
　清子も、何を知っているんだ？」
ついに黙っておれなくなり、宗太郎は思い切り、言葉をぶつける。
「なんだ？おまえ、反抗期か？」
　なぜかまったく動じず、神林君がヘラヘラと笑う。
「はっ？何を言っているんだよぉ」
　お子ちゃま扱い、するな！
自分だけ、仲間外れになったようで、宗太郎は何となく面白くない。
「まぁ、とにかく…あそこでは、時々悪いヤツが出るんだ。
　だから見つからないように、うまく隠れないといけないんだ」
まるで謎かけのように、妙なことを口走って、ニヤッと笑う。
「ふーん、それで？」
だが清子は、落ち着き払って神林君の顔を見る。
宗太郎は二人の話には入っていけず、ただボンヤリと聞いている。

「たとえば、ここ！
　子供の頃に、みんなで探検しただろ？
　でも…カギがかかっていて、絶対に入れない部屋があった。
　覚えているだろ？」
神林君が清子に向かって、話しかける。
「そうね、そんなことがあったわね」
　それが、何か？
清子はまったく、平然として聞き返す。
「ボクは…入ったことが、あるんだ」
清子が知らない、と踏んだのか、神林君は得意気に笑った。