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ソータローのこと…51
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「えっ」
「人が悪いなぁ~」
まさか、聞かれてた?
宗太郎は少し慌てる。
「大丈夫だよ、あんまり聞いてないから。
あそこに近付くな、という辺りから」
ヘラヘラしながら、神林君が小屋の奥から姿を見せる。
「えっ?どこに隠れていたの?」
それに、隠れるようなところがあった?
宗太郎が振り返る。
神林君はいたずらっ子のように、ニヤニヤ笑いを浮かべると、
「ここはねぇ、かくれんぼには最適なんだよ!
ソータロー、覚えていないの?」
神林君は、宗太郎の方を向いて笑う。
「かくれんぼ?」
その時一瞬、ひらめくものがある。
「リョウ君は…誰よりも、かくれんぼが上手だった」
ポロッと、言葉がついて出た。
「えっ?ソータロー、思い出したの?」
清子が思わず、宗太郎の肩を揺さぶる。
「えっ、いや…」
言った自分自身が、驚いているのだ。
「勝手に、口が動いた」
そうとしか、言いようがない。
「そんなものなの?」
清子はまだ、疑っている。
「そうなんじゃない?
本人がそうだと言うんだからさぁ」
その割には、まるでよそ事のように、神林君が無表情でそう言った。
「人が悪いなぁ~」
まさか、聞かれてた?
宗太郎は少し慌てる。
「大丈夫だよ、あんまり聞いてないから。
あそこに近付くな、という辺りから」
ヘラヘラしながら、神林君が小屋の奥から姿を見せる。
「えっ?どこに隠れていたの?」
それに、隠れるようなところがあった?
宗太郎が振り返る。
神林君はいたずらっ子のように、ニヤニヤ笑いを浮かべると、
「ここはねぇ、かくれんぼには最適なんだよ!
ソータロー、覚えていないの?」
神林君は、宗太郎の方を向いて笑う。
「かくれんぼ?」
その時一瞬、ひらめくものがある。
「リョウ君は…誰よりも、かくれんぼが上手だった」
ポロッと、言葉がついて出た。
「えっ?ソータロー、思い出したの?」
清子が思わず、宗太郎の肩を揺さぶる。
「えっ、いや…」
言った自分自身が、驚いているのだ。
「勝手に、口が動いた」
そうとしか、言いようがない。
「そんなものなの?」
清子はまだ、疑っている。
「そうなんじゃない?
本人がそうだと言うんだからさぁ」
その割には、まるでよそ事のように、神林君が無表情でそう言った。
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