御手洗さんの言うことには…

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ソータローのこと…４９

「へっ？」
　宗太郎は、返事に詰まる。
「それって、ホントか？」
清子の見間違いなんじゃあ、ないのか？
だが清子は、自信たっぷりの顔で、宗太郎を見返す。
「私、毎日観察していたのよ。
　間違いない。
　きっと…何かあるんだと思うわ」
それが何なのかは、わからない。
「時々、子供がいなくなることがある…って、噂もあったしね」
「ゲッ」
宗太郎は気味悪そうに、物置の中を見回す。
「まさか…監禁部屋とか、何かあるのか？」
　それにしても、お化け屋敷って、本当にお化けが出るのか？
一気に、さぁ～っと、血の気の引く思いがする。

「バカねぇ」
　宗太郎が何を考えているのか、読めるのか？
「そんなこと、あるわけがないじゃない」
そういう清子の声も、わずかに揺れている。
「いくらなんでも…それは、あるわけがないわ」
「そ、そうだよな」
自分の記憶がないことが、この時ほど、ありがたいと思ったことはない。
「どっちにしろ…本人に聞かないことには、な」
そう言って、宗太郎は家の方を向く。
その時、ガタガタッと、物置の奥の方で物音が聞こえてきた。