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ソータローのこと…27
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こんな時、どうしたらいいのだろう?
宗太郎には、何も思いつかない。
「行くわよ」
猛然と、清子は立ち上がる。
「だから、どこへ?」
動き出したら、止まらない…
何となく、宗太郎にも想像がついた。
「そんなの、決まっているでしょ」
クルリと、清子が振り返る。
「他に、どこへ行くっていうのよ。あの家よ」
宗太郎の返事も待たずに、ズンズンとさっき来た道を引き返す。
「でも」
神林君に、何と言われるかわからない。
だが清子は、大またで歩き出すと、
「男は、ごちゃごちゃ言わない!
黙ってついて来る!」
ピシリと、そう怒鳴りつける。
「はい!」
(あれが、本当にあのキヨちゃんなのか?)
宗太郎は、ビクンと肩を揺らした。
「ねぇ、ソータロー」
大またで、スタスタと歩きながら、清子は宗太郎に向かって
話しかける。
「なに?」
今度は、何を言われるのだろう?
宗太郎は内心、ビクビクしている。
「記憶がない…という割りには、どうしてリョウ君のことを、
覚えているの?」
清子の言うことは、もっともだ。
(何しろ、自分でもよくわからないのだから)
「うーん、ボンヤリとね」
そうとしか、言いようがない。
「じゃあ…記憶がないって、どんな感じ?」
同情している、というよりは、純粋な好奇心からなのだろう。
何で清子が、そんなに気にするのか、わからないのだけれど。
「え~っ、普通だよ?
ただ…そこの部分が、ポカッと何もない感じ?」
ほら、パズルのピースみたいにね。
そうとしか、言いようがない。
だって、宗太郎自身、覚えてはいないのだから。
宗太郎には、何も思いつかない。
「行くわよ」
猛然と、清子は立ち上がる。
「だから、どこへ?」
動き出したら、止まらない…
何となく、宗太郎にも想像がついた。
「そんなの、決まっているでしょ」
クルリと、清子が振り返る。
「他に、どこへ行くっていうのよ。あの家よ」
宗太郎の返事も待たずに、ズンズンとさっき来た道を引き返す。
「でも」
神林君に、何と言われるかわからない。
だが清子は、大またで歩き出すと、
「男は、ごちゃごちゃ言わない!
黙ってついて来る!」
ピシリと、そう怒鳴りつける。
「はい!」
(あれが、本当にあのキヨちゃんなのか?)
宗太郎は、ビクンと肩を揺らした。
「ねぇ、ソータロー」
大またで、スタスタと歩きながら、清子は宗太郎に向かって
話しかける。
「なに?」
今度は、何を言われるのだろう?
宗太郎は内心、ビクビクしている。
「記憶がない…という割りには、どうしてリョウ君のことを、
覚えているの?」
清子の言うことは、もっともだ。
(何しろ、自分でもよくわからないのだから)
「うーん、ボンヤリとね」
そうとしか、言いようがない。
「じゃあ…記憶がないって、どんな感じ?」
同情している、というよりは、純粋な好奇心からなのだろう。
何で清子が、そんなに気にするのか、わからないのだけれど。
「え~っ、普通だよ?
ただ…そこの部分が、ポカッと何もない感じ?」
ほら、パズルのピースみたいにね。
そうとしか、言いようがない。
だって、宗太郎自身、覚えてはいないのだから。
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