御手洗さんの言うことには…

２５

ソータローのこと…４

「やっぱり、来たんだ～」
　清子は軽く、手を上げる。
内心、来ないかもしれない…と思っていた。
何しろ、本人に直接話をしたわけではなく、屋上で伝えただけだから…
（聞き間違えされても、仕方がなかった）
驚いた顔をして、宗太郎を見返す。
「そりゃあ、来るでしょ」
宗太郎はちょっとムッとした顔で、言い返す。
「そう？」
「そうだよ！」

　だけど、何だか…時間が巻き戻ったみたいだ。
こうして再び、二人で話す日が来るなんて！
「で…何か、用？」
　こんなトコにまで、呼び出して…
ぶっきらぼうに、宗太郎が清子に聞く。
「久しぶりに会った幼なじみに、その態度は、ないんじゃあないの？」
清子も負けないくらい、ブスッとした顔で言い返す。
「変わらないって、どういう意味よ！
　変わりましたよ！
　何しろ、高校生になったんだから」
ケンカ腰に言い返す。
　確かに…子供の頃の自分では、もうないんだ…
複雑な思いで、目の前の宗太郎を見返す。
「なに？そんなに、ボク…イケメンになった？」
笑いながら、宗太郎が言うのを、
「ばぁか！そういうトコが、ガキなのよぉ」
せっかく、再会の喜びをかみしめていたのに…
清子はキッと、視線をとがらせた。