16 / 215
16
彼女の秘密…4
しおりを挟む
「見たわよ」
いきなりナギコに、声をかけられた。
清子は平然とした顔で、
「何が?」と聞き返す。
まるで自分には、いっぺんの曇りもない…と確信している態度だ。
だけどもナギコはニコニコしながら、清子に近付くと
「もう!全然、他人に興味のなさそうな顔をして!」
お安くないわね!
ポン!と気安く、清子の肩をたたく。
「はっ?」
そんな扱いをされる覚えがなかったので、清子自身は、一体何を見たんだ…
と不自然に思う。
そのボーッとした顔さえも、能面のように無表情に見えたので…
ナギコは、(あれは、気のせいだったのか?)と、自分の目を疑った。
「あっ、あの…この前、いたでしょ?」
自信満々で、声をかけたナギコは、引っ込みのつかない様子で、うろたえた
顔をする。
「いたって…どこに?」
清子はますます、ボーッとしている。
その無表情の顔が、逆に怖い…と、誰かに言われたことがある。
「どこって…」
まるで、叱られたような顔になり、ナギコはおそるおそる、
「神社の階段で…」
消え入りそうな声でそう言う。
「神社?」
ようやく清子は「あぁ~」と納得したようにうなづく。
ナギコはあからさまに、ホッとした顔になる。
「それって、ソータローのことね?」
だが、少しもあわてることもなく、やはり平然としてそう言う。
ナギコや、ナギコの親友のカナエも、自分たちが見たのは、もしかしたら
気のせいだったのか…と思わず自分のことを疑った。
いきなりナギコに、声をかけられた。
清子は平然とした顔で、
「何が?」と聞き返す。
まるで自分には、いっぺんの曇りもない…と確信している態度だ。
だけどもナギコはニコニコしながら、清子に近付くと
「もう!全然、他人に興味のなさそうな顔をして!」
お安くないわね!
ポン!と気安く、清子の肩をたたく。
「はっ?」
そんな扱いをされる覚えがなかったので、清子自身は、一体何を見たんだ…
と不自然に思う。
そのボーッとした顔さえも、能面のように無表情に見えたので…
ナギコは、(あれは、気のせいだったのか?)と、自分の目を疑った。
「あっ、あの…この前、いたでしょ?」
自信満々で、声をかけたナギコは、引っ込みのつかない様子で、うろたえた
顔をする。
「いたって…どこに?」
清子はますます、ボーッとしている。
その無表情の顔が、逆に怖い…と、誰かに言われたことがある。
「どこって…」
まるで、叱られたような顔になり、ナギコはおそるおそる、
「神社の階段で…」
消え入りそうな声でそう言う。
「神社?」
ようやく清子は「あぁ~」と納得したようにうなづく。
ナギコはあからさまに、ホッとした顔になる。
「それって、ソータローのことね?」
だが、少しもあわてることもなく、やはり平然としてそう言う。
ナギコや、ナギコの親友のカナエも、自分たちが見たのは、もしかしたら
気のせいだったのか…と思わず自分のことを疑った。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる