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第18章 パン屋の王子様
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「おいおい、いきなり来て…それは、ないだろ?」
そう言いながらも、男は面白そうに笑う。
「あんたって、中々度胸があるよなぁ」
珍しそうに彼女を見つめると、ふいに思い出したように、
「あんたのおふくろさんも、やっぱりキモの座った人だったなぁ」
ポソリとそう言う。
「あ、やっぱり知っているの?」
思わずアナスタシアは、男の顏をじぃっと見詰める。
男は「まぁ」と口ごもる。
「でもまぁ~せっかくだから、中で座って、話さないか?」
と彼女を誘う。
前に進もうとするので、ハンスがすくっと立ち上がると、
「いや!」
彼の前で、立ちふさがる。
「店の中…よりも、どこか静かな所へ…」
彼としては、やはり女の子を、男たちの視線にさらすのは、
よしとはしないらしい…
それを見て、アナスタシアはちょっぴりホッとする。
「そうか?」
男は少し残念そうにする。
「アンタのオフクロさんは、かなりの酒豪だったなぁ」
思わずポロリと言う。
「えっ?」
それは、聞いたことがなかった!
母さんが酒を飲む、ということも、
さらには大酒飲みだ、ということも…
まったくもって、初耳だった。
思わず目を丸くして、ポカンとしている。
そういえば…と彼女は思いつく。
この男の人と、どういう話をしているのか、全く知らないのだ。
今さらのように、居心地の悪さを感じる。
ここには、自分の居場所がない、
そう感じるアナスタシアなのだ。
その男の目は、スキがなくて、結局は有益な情報を得ることは
出来なかった。
それでも彼女も次第に、この人は本当は、さほど悪い人ではないの
かもしれない…と、そう気付き始めていた。
そう言いながらも、男は面白そうに笑う。
「あんたって、中々度胸があるよなぁ」
珍しそうに彼女を見つめると、ふいに思い出したように、
「あんたのおふくろさんも、やっぱりキモの座った人だったなぁ」
ポソリとそう言う。
「あ、やっぱり知っているの?」
思わずアナスタシアは、男の顏をじぃっと見詰める。
男は「まぁ」と口ごもる。
「でもまぁ~せっかくだから、中で座って、話さないか?」
と彼女を誘う。
前に進もうとするので、ハンスがすくっと立ち上がると、
「いや!」
彼の前で、立ちふさがる。
「店の中…よりも、どこか静かな所へ…」
彼としては、やはり女の子を、男たちの視線にさらすのは、
よしとはしないらしい…
それを見て、アナスタシアはちょっぴりホッとする。
「そうか?」
男は少し残念そうにする。
「アンタのオフクロさんは、かなりの酒豪だったなぁ」
思わずポロリと言う。
「えっ?」
それは、聞いたことがなかった!
母さんが酒を飲む、ということも、
さらには大酒飲みだ、ということも…
まったくもって、初耳だった。
思わず目を丸くして、ポカンとしている。
そういえば…と彼女は思いつく。
この男の人と、どういう話をしているのか、全く知らないのだ。
今さらのように、居心地の悪さを感じる。
ここには、自分の居場所がない、
そう感じるアナスタシアなのだ。
その男の目は、スキがなくて、結局は有益な情報を得ることは
出来なかった。
それでも彼女も次第に、この人は本当は、さほど悪い人ではないの
かもしれない…と、そう気付き始めていた。
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