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第16章 リターン、まさかの再会

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「あら、まぁ、一体…どういうこと?」
 とりあえず別荘へと戻ると、玄関の所で、中年の女性が待ちかまえていた。
エラと並んで歩いている、若いメイドのミキの方に、顏を向ける。
「何をしていたの?」
詰問するようにして、立ちはだかる。
「それに…あのお姫様は、一体どこ?
 この人は、どちらさま?」
ものすごい剣幕で、若いメイドに詰め寄った。

 この年若いメイドは、気の毒なくらいに、うつむいて、黙り込んでいる。
さすがに(目の前で起こったことなので)エラの存在は認めたものの、
一体何が起こったのか…まだ、状況が飲み込めていないのだ。
(まさか…入れ替わったなどと、誰にも理解が出来ないだろう…)
目を泳がせて、「あのぉ」と口ごもる女の子に、
「ごめんなさい!この人は、何も悪くないんです」
オロオロしているミキが、可哀想になり、エラがあわてて彼女の前に
歩み出る。
女中頭のマーサは、眉間にシワを寄せたまま
「あなた、どちらさま?
 ここは、あなたの来るような場所ではありませんよ!」
厳しい声で、ピシリと言った。
 
 するといきなり、扉の外から、ヤギの鳴き声が聞こえて来る。
「あら!あれは、なんなの?」
ミキをチラリと見ると、説明を求める表情を浮かべる。
ソワソワとして、どうもおちつきのないミキを見ると、
マーサはバンとドアを開けて、外へと飛び出した。

 玄関ポーチのブランコの柱に、いつの間にか1頭の白いヤギが、
ロープでつないである。
(これ、魔法使いのおばあさんがやったんだ!)
すぐさまエラは、誰のしたことか、すぐに気付く。
だが…果たしてこの人に言っても、信じてもらえるのだろうか、と
エラは戸惑う。
「なによ、これ?」
案の定、マーサの叫び声がここまで聞こえてくる。
ミキとエラは、ドアの外をのぞくと、ヤギの側で立ちすくむマーサを、
見付けた。
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