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第15章 ラストチャンスは突然に?
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「で…思い出した?」
いたわる目付きで、魔法使いが信子を見ると…
信子は黙って、頭を振る。
「いいのよ、覚えていなくったって…
心が反応するのなら、それでいいの、上出来よ」
励ますように、魔法使いが言った。
「わかった、じゃあ明日ね!
あなたに会いに行くよう、うまくやってあげるわ」
魔法使いのおばあさんは、ニコニコしながらそう言った。
「えっ、出来るの?」
信子はひそかに…この人は、魔法使いとしては、二流だと思っていた。
「出来るわよ!
だって、これでも私…魔法使いのはしくれなんですもの!」
胸を張って言うのを見て、信子はさらに不安になった。
だって、不測の事態とはいえ、自分とシンデレラを間違えて、
トンネルの向こうへ、飛ばされてきたのだから…
うまくいくのかどうか、とても気になるのだ。
「あら、あらぁ~!
今度は絶対、大丈夫よぉ」
ニコリと笑う。
「それよりも…あなたはこれから、どうしたいのか、ちゃんと考えて
おいてね!」
もう1度、確認するように、魔法使いは言った。
信子は「はい」と大きく頭を振って、うなづいた。
静かに夜がふけていく…
疲れているはずなのに、魔法使いのおばあさんが消えてからも、
すっかり目が冴えてしまった。
頭のシンが、キンと冷えている。
窓を開けると、流れ星が弧を描いて、漆黒の空を流れて行くのが見えた。
信子は窓の外をながめて、しばらく空をあおぐ。
明日から、どうしよう…
ふと考えながら、まだ頭の中が混乱するままに、じぃっと隣の部屋で
寝ている、カスミさんの寝息の音を、聞くとはなしに聞いていた…
いたわる目付きで、魔法使いが信子を見ると…
信子は黙って、頭を振る。
「いいのよ、覚えていなくったって…
心が反応するのなら、それでいいの、上出来よ」
励ますように、魔法使いが言った。
「わかった、じゃあ明日ね!
あなたに会いに行くよう、うまくやってあげるわ」
魔法使いのおばあさんは、ニコニコしながらそう言った。
「えっ、出来るの?」
信子はひそかに…この人は、魔法使いとしては、二流だと思っていた。
「出来るわよ!
だって、これでも私…魔法使いのはしくれなんですもの!」
胸を張って言うのを見て、信子はさらに不安になった。
だって、不測の事態とはいえ、自分とシンデレラを間違えて、
トンネルの向こうへ、飛ばされてきたのだから…
うまくいくのかどうか、とても気になるのだ。
「あら、あらぁ~!
今度は絶対、大丈夫よぉ」
ニコリと笑う。
「それよりも…あなたはこれから、どうしたいのか、ちゃんと考えて
おいてね!」
もう1度、確認するように、魔法使いは言った。
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静かに夜がふけていく…
疲れているはずなのに、魔法使いのおばあさんが消えてからも、
すっかり目が冴えてしまった。
頭のシンが、キンと冷えている。
窓を開けると、流れ星が弧を描いて、漆黒の空を流れて行くのが見えた。
信子は窓の外をながめて、しばらく空をあおぐ。
明日から、どうしよう…
ふと考えながら、まだ頭の中が混乱するままに、じぃっと隣の部屋で
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