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第15章 ラストチャンスは突然に?
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あいまいな光りの形が、徐々にくっきりとした形を作り、
オレンジ色が、さらにまぶしく白い光りとなる。
それからさらに、1つの人の形となった時…
その光の正体が、明らかになった。
「おばあさん…」
思わず信子はつぶやく。
「どうして、ここに?」
そこには、前にも見たことのある、黒ずくめの格好をした、
おばあさんが姿を現した。
初めは夢かと思い、信子はしきりと目をこする。
「あらぁ、今度はここにいるんだねぇ」
聞き覚えのある声だ。
信子は「えっ」とつぶやくと、再度部屋を見回して、
他に怪しい人物がいないかと、目をこらした。
「やっぱりねぇ~時空も時代も違うと…
いくら魔法を使っても、うまくいかないもんだねぇ」
その人は、笑うように言う。
「なんですか、それ。
これってむしろ、怪奇現象とか、超常現象とかじゃ、
ないんですか?」
まだ、わけがわからないので、信子は混乱した頭でその老女を
見詰める。
「これは、ドッキリなんでしょ?
降参です。
だまされたなぁ~」
もしかして、まだ誰かがこの近くで、隠れているのではないか、
とキョロキョロとする。
きっと、そうだ。
自分は誰かに、だまされているのよ!
だって、こんなこと…あるわけがないもの!
(すでに十分、不思議なことが、起きているけれど…)
だが一応、強がってみたり、平気な顔をしてみたりするけれど…
それでも目の前で、起きたこととは裏腹に、やはりどうしても
理解できないのだ。
(百歩譲って、これが事実だとして、なぜ魔法使いのおばあさんは、
あんなドジをしたのだろう?
飛ばすべき人を取り違えて、そのまま飛ばすなんて、あり?)
どうしても、信子にはわからない。
(それとは別の理由があったのだが…)
しきりと考え込む信子の様子に気が付くと、魔法使いのおばあさんは
急に憐れむような表情で、信子を見つめる。
「ごめんなさいねぇ~ホントーに…
何度も何度も、こんなことになって…」
ひれ伏すのではないか、というくらいの勢いで、信子に向かって、
ガバリと床に、頭をすりつけた。
オレンジ色が、さらにまぶしく白い光りとなる。
それからさらに、1つの人の形となった時…
その光の正体が、明らかになった。
「おばあさん…」
思わず信子はつぶやく。
「どうして、ここに?」
そこには、前にも見たことのある、黒ずくめの格好をした、
おばあさんが姿を現した。
初めは夢かと思い、信子はしきりと目をこする。
「あらぁ、今度はここにいるんだねぇ」
聞き覚えのある声だ。
信子は「えっ」とつぶやくと、再度部屋を見回して、
他に怪しい人物がいないかと、目をこらした。
「やっぱりねぇ~時空も時代も違うと…
いくら魔法を使っても、うまくいかないもんだねぇ」
その人は、笑うように言う。
「なんですか、それ。
これってむしろ、怪奇現象とか、超常現象とかじゃ、
ないんですか?」
まだ、わけがわからないので、信子は混乱した頭でその老女を
見詰める。
「これは、ドッキリなんでしょ?
降参です。
だまされたなぁ~」
もしかして、まだ誰かがこの近くで、隠れているのではないか、
とキョロキョロとする。
きっと、そうだ。
自分は誰かに、だまされているのよ!
だって、こんなこと…あるわけがないもの!
(すでに十分、不思議なことが、起きているけれど…)
だが一応、強がってみたり、平気な顔をしてみたりするけれど…
それでも目の前で、起きたこととは裏腹に、やはりどうしても
理解できないのだ。
(百歩譲って、これが事実だとして、なぜ魔法使いのおばあさんは、
あんなドジをしたのだろう?
飛ばすべき人を取り違えて、そのまま飛ばすなんて、あり?)
どうしても、信子にはわからない。
(それとは別の理由があったのだが…)
しきりと考え込む信子の様子に気が付くと、魔法使いのおばあさんは
急に憐れむような表情で、信子を見つめる。
「ごめんなさいねぇ~ホントーに…
何度も何度も、こんなことになって…」
ひれ伏すのではないか、というくらいの勢いで、信子に向かって、
ガバリと床に、頭をすりつけた。
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