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第15章 ラストチャンスは突然に?
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「さっきの男の人と、結婚しないんですか?」
何となく気になって、信子が思わずカスミさんに聞く。
「えっ」
彼女は言葉を詰まらせる。
「そんなこと…あるわけがないじゃない!」
すぐさま否定する。
だが…カスミさんは、うろたえたように、目を泳がせて、
頬を真っ赤に染める。
(やっぱり…大人の事情って、よくわかんないなぁ~)
信子には、お手上げだ。
あんなにお似合いの2人なのに…と思うけれども、
どうやらそうではなさそうだ。
その間にもカスミさんは、窓を開けて、空気を入れ替えたり、
押入れの中をのぞき込んで、布団を出したり、パタパタと
忙しそうに動き回る。
「めったにないけどね、両親が来た時に、泊まる部屋がないと、
不便でしょ?」
言い訳をするように、ヘラリと笑う。
「私のことは、気にしないでね!
適当に使ってくれて、いいからね!」
クローゼットからシーツを取り出し、布団にふわっとかける。
「なんだか、うれしいな!
また…おしゃべり相手が出来て!」
おそらく気を使ってくれているのだろうが、とても楽しそうに
そう言う。
それを聞くと、何だか信子まで、嬉しくなってしまう。
まるでテレビで見るような、ルームシェア(といっても、アパートの
一室だけれど)しているようで、とても楽しみだ。
(だけど早く、行き先を見付けなくちゃ!)
すぐにそう思うけれど…
もう少しこのまま、ここにいてもいいかなぁ~などと、チラリと
思ってしまう。
そんな信子の心を読むように、カスミさんは信子を見つめると
「好きなだけ、ゆっくりしていいからね!
明日…私は仕事に出かけるけど、逆にお留守番してくれると、
ありがたいかも!」
そう言うと、「ちょっと待ってね!」と言いおいて、敷居で区切られた
だけの、隣の部屋に向かった。
何となく気になって、信子が思わずカスミさんに聞く。
「えっ」
彼女は言葉を詰まらせる。
「そんなこと…あるわけがないじゃない!」
すぐさま否定する。
だが…カスミさんは、うろたえたように、目を泳がせて、
頬を真っ赤に染める。
(やっぱり…大人の事情って、よくわかんないなぁ~)
信子には、お手上げだ。
あんなにお似合いの2人なのに…と思うけれども、
どうやらそうではなさそうだ。
その間にもカスミさんは、窓を開けて、空気を入れ替えたり、
押入れの中をのぞき込んで、布団を出したり、パタパタと
忙しそうに動き回る。
「めったにないけどね、両親が来た時に、泊まる部屋がないと、
不便でしょ?」
言い訳をするように、ヘラリと笑う。
「私のことは、気にしないでね!
適当に使ってくれて、いいからね!」
クローゼットからシーツを取り出し、布団にふわっとかける。
「なんだか、うれしいな!
また…おしゃべり相手が出来て!」
おそらく気を使ってくれているのだろうが、とても楽しそうに
そう言う。
それを聞くと、何だか信子まで、嬉しくなってしまう。
まるでテレビで見るような、ルームシェア(といっても、アパートの
一室だけれど)しているようで、とても楽しみだ。
(だけど早く、行き先を見付けなくちゃ!)
すぐにそう思うけれど…
もう少しこのまま、ここにいてもいいかなぁ~などと、チラリと
思ってしまう。
そんな信子の心を読むように、カスミさんは信子を見つめると
「好きなだけ、ゆっくりしていいからね!
明日…私は仕事に出かけるけど、逆にお留守番してくれると、
ありがたいかも!」
そう言うと、「ちょっと待ってね!」と言いおいて、敷居で区切られた
だけの、隣の部屋に向かった。
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