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第11章 トンネルの向こうには…
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「その光が消える直前、何かが落ちたように見えたの。
それが気になって、ここへ探しに来たのよ」
変でしょ?
それが本当なのかどうかも、わからないのに…
その女性の話は、夢の話にしては、ずいぶんとはっきりとして、
具体的だなぁと、その場にいたタクトや、ユリカさんもそう思う。
だけど、まんま信じていいのか、というと、とうていそうとは
思えない。
「なによ、彗星でも落ちたの?」
「流れ星?」
「隕石?」
「それは、違うわ」
エラはキッパリとそう言う。
「そう、違うだろうね」
すると、いつからそこにいたのか…
その女の人の知り合い、と思われる、隣にいた男性も声を上げる。
「カスミさん、夢の話はあとで聞くから」
そう耳元でささやくと、なだめるように見つめる。
するとその女性は頭を大きく振ると、
「いいえ、夢じゃないわ!
これは…現実にあったことなのよ」
急にハッキリと言い切る。
カスミさんと呼ばれるその女性は、なぜだかエラの顏を食い入るように
じぃっと見つめる。
その表情は、特に変わった様子もなく、やはり何か…思い当たる
様子はなさそうだ。
「そうなんですよ!
私もムリヤリ、ここへ連れて来られたクチで」
すると男性が、口をはさむ。
「どうしても…この人が、確かめたいことがある、と言うから…」
そうボソリ言うと、エラたちの側にいたタクトも、思わず大きく
うなづいて、
「わかります、それはボクも同じです」
先ほどまで、黙っていたのだが、思わずニコニコする。
「私ね…とても気になることがあるの」
カスミさんがつぶやくように言う。
「あの女の子ね、どうしているのかしらって」
ようやく言葉を絞りだす。
とてももどかしそうな表情だ。
「どうしても…どうしても、顏が思い出せないのだけど・・・
気になって気になって、仕方がなかったの」
そう言うと、やはり気になるのか、穴があきそうなくらい強い視線で
エラのことを見詰めた。
それが気になって、ここへ探しに来たのよ」
変でしょ?
それが本当なのかどうかも、わからないのに…
その女性の話は、夢の話にしては、ずいぶんとはっきりとして、
具体的だなぁと、その場にいたタクトや、ユリカさんもそう思う。
だけど、まんま信じていいのか、というと、とうていそうとは
思えない。
「なによ、彗星でも落ちたの?」
「流れ星?」
「隕石?」
「それは、違うわ」
エラはキッパリとそう言う。
「そう、違うだろうね」
すると、いつからそこにいたのか…
その女の人の知り合い、と思われる、隣にいた男性も声を上げる。
「カスミさん、夢の話はあとで聞くから」
そう耳元でささやくと、なだめるように見つめる。
するとその女性は頭を大きく振ると、
「いいえ、夢じゃないわ!
これは…現実にあったことなのよ」
急にハッキリと言い切る。
カスミさんと呼ばれるその女性は、なぜだかエラの顏を食い入るように
じぃっと見つめる。
その表情は、特に変わった様子もなく、やはり何か…思い当たる
様子はなさそうだ。
「そうなんですよ!
私もムリヤリ、ここへ連れて来られたクチで」
すると男性が、口をはさむ。
「どうしても…この人が、確かめたいことがある、と言うから…」
そうボソリ言うと、エラたちの側にいたタクトも、思わず大きく
うなづいて、
「わかります、それはボクも同じです」
先ほどまで、黙っていたのだが、思わずニコニコする。
「私ね…とても気になることがあるの」
カスミさんがつぶやくように言う。
「あの女の子ね、どうしているのかしらって」
ようやく言葉を絞りだす。
とてももどかしそうな表情だ。
「どうしても…どうしても、顏が思い出せないのだけど・・・
気になって気になって、仕方がなかったの」
そう言うと、やはり気になるのか、穴があきそうなくらい強い視線で
エラのことを見詰めた。
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