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第7章 女の子は誰でも天使になれる
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「まったく、別の部屋みたいだ」
心底驚いた顔で、タクトは目を丸くする。
「ユリカさんに手伝ってもらって、模様替えしたの。どうかしら?」
あんまり驚いた顔をするので、余計なことをしたのだろうか…と、
エラはちょっぴり自信なさそうな顔になる。
「いや、すごいよ!
こんなきれいなトコに、住むのがもったいないくらいだ」
どうやら手放しで、喜んでいるようだ。
「よかったぁ」
エラはユリカさんと、顏を見合わせる。
するとユリカさんは、ニッコリと笑って、
「どう?彼女1人で、がんばったのよ。
それにこんなに可愛いお嬢さん!
一緒にいられて、嬉しいでしょ?」
どうも、エラのことを気に入ったらしい。
どうかしたのか、というくらい大絶賛だ。
それを聞き、エラは耳まで赤くする。
ユリカさんは、満足そうにうなづいている。
「それは、もちろん!
こんなにすっかり、きれいにしてもらって…
それにどこのプリンセスかと思ったよ」
部屋を褒めているのか、エラを褒めているのか…
ユリカさんにうながされるようにして、あらためてエラを見つめると、
タクトは照れくさそうに笑った。
「でね!彼女、あなたにお願いがあるんですって!」
エラに確認せずに、いきなりユリカさんが切り出す。
「えっ?あの、それはまだちょっと…」
あわててエラが、ユリカさんの袖を引っ張ると、まったく邪気のない
目で、ユリカさんは微笑む。
「なに?」
「いや、あの」
2人がボソボソと話しているのを見て、
「えっ、なに?」
蚊帳の外状態のタクトが、不思議そうな顔をして、エラの方を向く。
まじまじとこちらを見つめるタクトの目は…
誰かに似ているなぁと、ふとエラはひらめく。
誰だろう?
それはもしかして…あの王子様なの?
夢の中で見た、おぼろげな記憶を頼りに、エラはなぜだか、とても
懐かしい思いがした。
心底驚いた顔で、タクトは目を丸くする。
「ユリカさんに手伝ってもらって、模様替えしたの。どうかしら?」
あんまり驚いた顔をするので、余計なことをしたのだろうか…と、
エラはちょっぴり自信なさそうな顔になる。
「いや、すごいよ!
こんなきれいなトコに、住むのがもったいないくらいだ」
どうやら手放しで、喜んでいるようだ。
「よかったぁ」
エラはユリカさんと、顏を見合わせる。
するとユリカさんは、ニッコリと笑って、
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どうも、エラのことを気に入ったらしい。
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それを聞き、エラは耳まで赤くする。
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「それは、もちろん!
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部屋を褒めているのか、エラを褒めているのか…
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エラに確認せずに、いきなりユリカさんが切り出す。
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あわててエラが、ユリカさんの袖を引っ張ると、まったく邪気のない
目で、ユリカさんは微笑む。
「なに?」
「いや、あの」
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「えっ、なに?」
蚊帳の外状態のタクトが、不思議そうな顔をして、エラの方を向く。
まじまじとこちらを見つめるタクトの目は…
誰かに似ているなぁと、ふとエラはひらめく。
誰だろう?
それはもしかして…あの王子様なの?
夢の中で見た、おぼろげな記憶を頼りに、エラはなぜだか、とても
懐かしい思いがした。
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