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第7章 女の子は誰でも天使になれる
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鍵をガチャンと開けるなり…
ほら、やっぱり気のせいではない!
いい匂いが、玄関にまで漂ってきて、タクトの胃袋を猛烈に刺激した。
(今日はオニギリしか、食べていないもんなぁ)
鼻をヒクヒクさせると、思わずヘラリと頬をゆるめる。
「ただいまぁ~」
まるでママゴトのようだな。
(設定は、新婚さんか?)
などと思い、奥にいるはずの女性陣に声をかけた。
それともまさか…他の階と間違えたのか、と疑いつつも、もう一度
声をかけると、パタパタとスリッパの音がして、
「おかえりなさい」と声が聞こえてくる。
一瞬冷静になると…なんだか、妙な感じだ。
ここは、なんだ?
ボクの家だよな?
これじゃあ、同性カップルのようじゃないか…
タクトはニヤニヤとして、思わず
「お邪魔しまぁす」と言いながら、中にに入る。
お邪魔します、は変だな。
やっぱり、ただいまだよな、とブツブツ思っていると
「おかえりなさい」
昨日とは打って変わって、ハツラツとした少女の姿が、目に飛び込んできた。
これって、夢?
思わず頬をつねりたくなる。
これが本当に、自分の部屋なのか、と疑いたくなるくらい、
部屋がスッキリと片付けられ、しかもいい匂いまでしている。
(一体、どういうことなんだ?)
思わず、にやぁ~と間抜け面になりそうになり、またも頬を思いっきり
つねりたくなった。
ひとまず玄関に足を踏み入れると、コンクリートのたたきに、
いつもなら乱雑に脱ぎ捨てられたスニーカーや靴があるのだが、
それが一切なくなっていて、ユリカさんのローファーと、エラのはいていた
靴が、つっかけ替わりのクロックスと仲良く並んでいるだけだった。
すっきりと片付けられ、しかもきれいに掃き清められている。
靴箱の側にある、作り付けの姿見も、汚れを取り払われて、澄んだ光りを
放っている。
しかも…かすかに甘い香りまでする…と思っていたら、靴箱の上に、
ピンクのバラが1輪、1輪挿しに飾られていた。
ほら、やっぱり気のせいではない!
いい匂いが、玄関にまで漂ってきて、タクトの胃袋を猛烈に刺激した。
(今日はオニギリしか、食べていないもんなぁ)
鼻をヒクヒクさせると、思わずヘラリと頬をゆるめる。
「ただいまぁ~」
まるでママゴトのようだな。
(設定は、新婚さんか?)
などと思い、奥にいるはずの女性陣に声をかけた。
それともまさか…他の階と間違えたのか、と疑いつつも、もう一度
声をかけると、パタパタとスリッパの音がして、
「おかえりなさい」と声が聞こえてくる。
一瞬冷静になると…なんだか、妙な感じだ。
ここは、なんだ?
ボクの家だよな?
これじゃあ、同性カップルのようじゃないか…
タクトはニヤニヤとして、思わず
「お邪魔しまぁす」と言いながら、中にに入る。
お邪魔します、は変だな。
やっぱり、ただいまだよな、とブツブツ思っていると
「おかえりなさい」
昨日とは打って変わって、ハツラツとした少女の姿が、目に飛び込んできた。
これって、夢?
思わず頬をつねりたくなる。
これが本当に、自分の部屋なのか、と疑いたくなるくらい、
部屋がスッキリと片付けられ、しかもいい匂いまでしている。
(一体、どういうことなんだ?)
思わず、にやぁ~と間抜け面になりそうになり、またも頬を思いっきり
つねりたくなった。
ひとまず玄関に足を踏み入れると、コンクリートのたたきに、
いつもなら乱雑に脱ぎ捨てられたスニーカーや靴があるのだが、
それが一切なくなっていて、ユリカさんのローファーと、エラのはいていた
靴が、つっかけ替わりのクロックスと仲良く並んでいるだけだった。
すっきりと片付けられ、しかもきれいに掃き清められている。
靴箱の側にある、作り付けの姿見も、汚れを取り払われて、澄んだ光りを
放っている。
しかも…かすかに甘い香りまでする…と思っていたら、靴箱の上に、
ピンクのバラが1輪、1輪挿しに飾られていた。
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